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防災講座:続

「50ミリ対応」見直し必至? 備えあれど憂いあり―2

柏尾川は海との高低差が少なく、その排水能力は潮位に大いに影響され、大潮の満潮時や台風など低気圧による高潮発生時には水が捌(は)けていかず、その対応力が落ちるので、河川への雨水流入規制は㎥/秒の瞬間流量規制では不十分であり、ある時間に流れ出た雨水の累積流出量を考慮に入れる必要がある、と考えていました。。

この度、神奈川県県土整備局の河川下水道部河川課に確認したところ、柏尾川が境川に流れ出る地点では、海面が一番高い状態の時でも毎秒450㎥の水捌けが確保できているとのことでした。その場所の川の断面積は187㎡で、計算すると川水の流速は秒速約2.4mということになります。
50㍉までの降雨に限れば、この毎秒450㎥の水捌けを前提にするならば、雨水の川への流出規制は㎥/秒の瞬間流量規制で十分といえます。

図|降雨による年間警報発表回数


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ちなみに、柏尾川流域に50ミリ/hの雨が降り、その50%が川に流れ出たと想定し大まかな計算を試みると、1時間で62k㎡×0.025m=1,550,000㎥、境川に流下して行く量450㎥×3,600=1,620,000㎥との差が70,000㎥となり、降雨と関係のない生活排水や産業排水などが加わることを計算に入れれば、やはり50ミリ対応がやっとできていることになるようです。

但し、雨水と下水とが合流している所では、大量の雨水が下水管に吸収できなければ、あるいはまた川の水面が異常に高くなれば内水などの水害が発生することとなります。by I.T. (おわり)

注:表はいずれも横浜市環境創造局「ゲリラ豪雨対策報告書」(平成20年10月)から。
   

防災講座

河川の「50ミリ対応」について  備えあれど憂いあり―1 

いたち川を含む柏尾川流域において、1時間に50㍉の降雨があっても水害が発生しないよう、その排水・貯水能力を向上させるため、堤防のかさ上げ、川幅拡張、河床の掘り下げ、遊水地や調整池設置など様々な努力が行われてきました。その結果、現在50㍉対応は完了し、60㍉対応に向け更なる整備を行っているそうです。

従来、柏尾川流域では水害に見舞われることが多々ありました。排水・貯水能力の改良施策によりその発生は一時治まったかに見えましたが、1955年頃から始まる大規模な住宅地開発や道路の拡充整備の結果、強い雨が続くと急激な出水を招くようになり、再び水害の発生が見られるようになりました。

加えて昨今、日本各地で記録される集中豪雨は100㍉を超えるものが珍しくなくなり、ついこの12月3日いたち川流域では45㍉/hの雨が降り、河川監視カメラのある城山橋付近で一時「避難判断水位」を超えました。
しかもこの日、緑区の長津田では63㍉/hの降雨が記録されており、もしこの雨が柏尾川流域に降っていれば、水害は免れ得なかったことでしょう。

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昭和45年7月洪水の浸水状況(いたち川:天神橋付近)

河川の排水・貯水能力アップ施策が、これまでの都市化による水害発生の後追いとなっている上に、このような気候の激化が追い打ちをかけています。
良好な環境を次世代に残すという意味で緑地の保全や生物多様性が様々な場面で主張されていますが、それよりも一義的に充足されているべき住民の生命・財産の保全が後手に回り、対応できていないということにもっと注目すべきです。
そうすると、保水力に富む森林・原野・田畑などの緑地を保全し生物多様性を図ることは、取りも直さず喫緊の課題である生命・財産の保全に直結しているという事実に気づく筈です。 by I.T. (以下続く)

 
                 

自然の宝庫:円海山-冬

「眼福」って知ってますか  冬枯れの里山ハイキングのお薦め

日本海沿岸各地はじめ北国のみならず九州でも雪マークが並んでいますが、今日25日、そして明日26日と横浜地方は晴天の模様。気温も10度近くと、穏やかな週末を迎えそうです。

で、クリスマスの喧騒や年の瀬の慌ただしさを抜けて、冬枯れの瀬上沢から円海山ハイキングはいかが?
瀬上沢通信員の I さんから届いたスナップ2葉をご紹介します。
これぞまさしく「眼福」! 週末の日の入り時刻は4時半過ぎです。(26日は午後から曇るかも?)

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いっしんどう広場から眺めた富士の夕景。(12月4日)
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大丸広場。枯野の風情もまたオツなもの。(12月24日)

注:眼福=珍しいもの、美しいものなどを見ることのできた幸せ。目の保養。


要監視! 乞う、情報!
もっとも「眼福」とは逆に、イヤな予感も。
情報筋によれば、28日(火)の朝、瀬上沢の入口付近、横堰前の土砂搬入地周辺で何らかの土木工事が行われる……との噂が流れているそうです。
乱開発? 長年の耕作放棄で荒れ果てた土地とはいえ、農地の大規模な改変は農地法違反であるし、500㎡以上の土地の造成には届出が必要。
あるいは舞岡上郷線の補修工事に向けた工事用資材のストックヤードかもしれないけれど、約5000万円とされる補修工事の入札結果は不明だし、週明けにはヒヤリングが必至です。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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