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円海山エリアを「つながりの森」に? 「ヨコハマbプラン」策定で問われるもの

横浜市が生物多様性基本法に規定されている「生物多様性地域戦略」に該当する計画として位置づけている「ヨコハマbプラン(生物多様性横浜行動計画)」の素案に対するパブリックコメント(市民意見)を3月18日まで募集しています。

環境創造局企画課によればこの計画は、「重要な課題である生物多様性の保全について、将来像を明らかにし、今後の取り組むべき施策等を示し、市民・企業・行政がつながり行動するための計画」。

そもそもこの法律は与野党共同提案による議員立法として2008年(平成20年)5月に全会一致で可決・成立し、6月に公布・施行されたもので、横浜市の取り組みもまだ始まったばかりです。

署名の会は瀬上沢緑地の全面保全を求めるに当たって、円海山に連なる生物多様性の宝庫としての位置づけを明らかにし、買い取りを含む抜本的な保全策・打開策を講ずるよう求めてきましたが、先月18日に行われた企画課へのヒアリングの場ではまだ素案の骨子すら明らかにされず、27日の環境創造審議会における審議を経てようやく2月17日に公表されたものです。

注目されるのは、市の素案が6つの重点推進施策の一つとして「つながりの森」を挙げ、円海山の周辺(約289.3ha)エリアを取り組み対象とする概略図を載せていること。そしてこの赤い点線の範囲内には瀬上沢が含まれています。

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しかし概略図に「具体的な範囲については今後検討していきます」と付されているほか、素案の序章で「環境行政の転換」を掲げながらも、上郷開発計画をめぐる追及の中で明らかになった「民有地の壁」については一歩踏み込んだ取り組みについて全く触れていません。

9万2000余の市民の署名が示した環境保全への熱い想い。
長引く不況の中にもかかわらず「みどり税」という新しい課税を受け入れた市民の良識ある判断と期待。
「みどり税」が瀬上の緑地保全と無縁・無力の存在であるとしたら、市民の期待を裏切ると言っても過言ではありません。みどりアップ計画の進捗状況と併せて厳しいチェックが必至のようです。

追記 2月3日に発表された「環境に関する市民意識調査結果」を見ても、「生物多様性の保全」関連の施策について「十分実施している 」「 やや実施している」と答えた人の割合は10.9%にすぎず、また「郊外部のまとまった緑の保全」施策についての評価も同じく27%と低く、環境創造局の自然環境保全に対する本気度が問われています。

■資料:素案から抜粋

④ つながりの森
~生物多様性の宝庫 そして次代を担う子供たちの体験フィールドを市民全体で守り・育てる~
 対象エリア
(1)円海山の周辺(約289.3ha)
・横浜自然観察の森、金沢自然公園(金沢動物園)、瀬上市民の森、氷取沢市民の森、釜利谷市民の森、金沢市民の森、能見堂緑地等を対象とし、つながりの森の中心的地区です。
・連続した緑地としては市内最大であり、神奈川県東部で最も大きな多摩丘陵から三浦半島の先まで続く緑地の一角を形成しています。
・大岡川、いたち川、宮川の水源となっており、それぞれ横浜港の内港地区(みなとみらい21 地区)、相模湾(江ノ島・片瀬海岸)、平潟湾に注いでいます。

編集部注:ヨコハマbプランとは。「bは生物多様性biodiversityの頭文字のbです。私たちの暮らしを支える大事なキーワードとして、また「個性を大事に、それぞれのペースで」「ゆっくり、あせらず。でも夢は大きく!」といった横浜的スローライフの言葉として活用します。」とあります。

■パブリックコメントの募集要項

1 募集期間 平成23年2月17日(木)から平成23年3月18日(金)まで  
        *郵送の場合は、当日消印有効
2 意見の提出方法
  氏名と住所を明記して、次のいずれかの方法で。  
  ファクシミリ、電子メールの場合は、素案へのご意見である旨を明記してください。
  郵送:下記の問い合わせ先へ
  ファクシミリ:045-641-3490    
  電子メール:ks-tayou@city.yokohama.jp    
  直接持参:下記の問い合わせ先へ
3 資料の入手方法
 リーフレット(意見募集用紙):区役所、市民情報センター、環境創造局企画課で配布するほか、市のページからダウンロードできる。 素案:区役所、市民情報センター、環境創造局企画課で閲覧できるほか、市のページからダウンロードできる。4 策定スケジュール 平成23年4月に策定・公表の予定。
5 問い合わせ先 横浜市環境創造局 企画部企画課 電話:045-671-2484  

2月街宣行動

舞上線補修工事&上郷開発に異議あり! 
あらためて問う、緑地破壊の“大規模開発計画”は時代錯誤では?


春めいた陽射しとはいうものの前日の「春一番」から一転グーンと冷え込んだ2・26の土曜日、港南台駅頭で12名の有志が元気いっぱいにチラシまきをしました

この日はなぜか人出が少なく、いつもなら30分あまりで残り少なくなるチラシをまき終えるのにたっぷり50分。しかし舞岡上郷線の補修工事の問題点や上郷開発問題が依然として未解決の状態にあることを強く訴えるチラシへの注目度は高く、若者が状況説明を求める姿が目立ちました。

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また「里山の春を歩こう会」への関心も高く、何人ものシニア市民から「参加するわ」と声をかけられたと、このプログラムのチームリーダーである I さん。
身近な自然の素晴らしさを知ることこそが環境保護活動の何よりのエネルギーとなる……とあらためて意を強くした街宣デーとなりました。


私たちの訴え■2月街宣チラシから:1面

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同:2面

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上郷開発計画その後

検証:東急建設との交換メール  緑地保全への抜本的な打開策を問う!

署名の会の毎月定例の街宣(街頭宣伝活動)行動日である第4土曜日が明後日に迫ってきました。
今日現在の気象情報によれば26日(土)の天気は「晴れ」、最高気温12度&最低気温5度とやや冷え込むものの、まずまずの天気になりそうです。

春夏秋冬、港南台駅頭ですっかりおなじみ、山仲代表はじめ署名の会の面々に加え、ぜひ一般市民の皆さんも瀬上沢緑地の保全に向けてアピールをともにしていただきたいと、切に願っています。

ところで前回の街宣で配布し、このブログにも掲載した1月街宣チラシを目にした東急建設の上郷開発プロジェクトチームのリーダーである I さんから山仲代表宛に「抗議」のメールが届き、会では早速返信メールでこれに応えました。

1月17日に行われた署名の会代表と東急建設側との「面談」関連の記事をめぐるやりとり。

2月8日の午後、東急建設から届いたメールの主旨は「面談を記事にしたビラを見たが弊社の発言についての記述が不正確だ。本意とは異なる点を貴会の広報活動のみにつながるような形でとりあげるのは遺憾だ。弊社の課題解決に向けた対応を正しくくみとってほしい」というもの。
コロモの下の鎧(よろい)?に言及した内容の記事にカチンときたような文面でした。
                              
早速、署名の会は山仲代表名で「どこがどう違うのか具体的に指摘してほしい」と返事を出しました。
実は1月のチラシのもととなった「東急との面談記録」は当日参加した5名がメモを出し合ってまとめたもので、記述は克明なのですね。「東急建設は看板付け替えの大規模開発計画を検討中」という記事はそこから生まれました。

というわけで、「本意」なるものと「本意の裏」の読みとのせめぎあいでもあるのですが、ここでは署名の会の返信メールをそのまま載せます。

◆署名の会から東急建設への2月9日付け返信メール 

>> メール拝見いたしました。
>>
>> 当会のチラシに先の面談でのI様の発言と異なる部分が有り「断固異議を留
>> める」とのご指摘ですが、当会は市民の皆様に正確に面談での様子をお知ら
>> せするべく、私見を入れずに、作成した積りでおります。
>>
>> ただし当該チラシの記述は当日の参加者のメモと記憶にもとづきまとめたもの
>> ですので、貴意に添わない言い回し無しとはしません。しかし、細かな言い回
>> しの相違は別として、具体的に何処がI様の発言の主旨と異なるのか理解で
>> きません。

>> 今後引き続き貴社はもとより横浜市の関係部局等と事態の打開に向けた面談の
>> 機会を得たいと願っておりますのでI様がどの箇所について異議をお持ちな
>> のかお知らせ下さる様お願いいたします。 

で、これに対して同じ9日の朝直ぐIさんから「返信ありがとうございます。それでは、次回お会いする機会に、そのあたりのこともお話ししましょう」との返事が届きました。

北方4島をめぐる日ソ交渉あるいはまた菅・小沢会談同様、互いのミゾが埋まらなかったのですが(笑い。ちとオーバー!)、それにしても東急建設のこの問題をめぐる「本意」がどこにあるのか、市民の前にぜひ明らかにしてほしいもの。

某党の「コンクリートから人へ」というスローガンはすっかり色褪せてしまいましたが、今こそ東急建設はもとより市当局は「コンクリートから緑へ」という共通認識に立って、生物多様性の宝庫である円海山に連なる瀬上沢緑地の抜本的な打開策・保全策を提示すべきではないでしょうか。


注:関連記事=1月28日、29日をごらんください。 

瀬上沢通信員だより

すわ! 瀬上で怪しい動き?  実は地層研究のボーリング調査でした

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今日、梅沢山から尾根伝いに清戸の丘方面に向かって歩いて行ったら、
黒いホースが道沿いに敷設してあったので、先でコンクリート工事でもと
考えていたら、丘の手前でボーリングをやっていました。
横環南道路(横浜環状道路南線)の調査ではなく、横浜国大環境情報学府
(「貝化石」の研究で有名な間嶋教授がボス)の地質調査でした。

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どう特殊なのか聞き洩らしましたが、この辺りの地層は非常に珍しく、
研究の対象になる地層だそうです。
約70メートル下の砂岩がボーリングされており、約180万年前の地層で
貝化石の地層と似ているそうです。(瀬上沢通信員:I.T.)

編集部注:現地は瀬上市民の森から金沢市民の森に向かう尾根道沿い。厳密に言えば瀬上ではないようですが悪しからず!

■間嶋隆一教授とは?
横国大のHPによれば「教育人間科学部 地球環境課程 自然環境講座」が主たる担当部門。
地質学、古生物学、分類学、層位・古生物学が専門で、2006年秋には栄区の文化講演会で「瀬上市民の森から産出する化学合成化石群集の解説」を行ったことがあるそうです。

本郷れきし夜話-その2

「鍛冶ヶ谷式」と渡来人の謎に迫る  北條祐勝さん:本郷れきし夜話-2 

北條祐勝氏(前光明時住職)による本郷れきし夜話「いたち川流域の横穴を作った人々についての推論」第2回講座が2月19日(土)午後、本郷地区センターで開かれました。

1月29日(土)に開催された第1回に引き続きこの日も夜ではなく昼の時間帯でしたが、およそ50名ほどの市民が広い集会室のテーブルの上に並べられた遺跡の写真や地図を囲むかたちで座り、北條さんの横穴墓と深田製鉄遺跡との関連や光明寺の来歴、また地元上郷と本郷の町の由来などについての話に熱心に聴き入りました。

■お話の概要メモ
いたち川の上流域には、「金」のつく地名が多く、上郷町の谷戸には「カナクソ」と呼ばれる斜面もある。近くには鍛冶ヶ谷の地名もあり、地元の人たちは刀鍛冶の遺構の存在を予想していたそうだ。
ここに都市計画道路・舞岡上郷線が建設されることになり、昭和61年に発掘調査が行われ、製鉄遺跡があることがわかった。深田製鉄遺跡である。
発掘された製鉄用の炉や製銅用の炉、住居跡や遺物などから、7世紀中頃から9世紀中頃にかけての200年間、この場で製鉄が行われていたことが明らかになった。

それではいたち川流域で製鉄を行っていた人たちとはどのような人たちであったろうか。
4世紀から7世紀にかけて、大陸から多くの渡来人たちが日本に渡ってきたが、彼らは土木や稲作、機織り、土器製作、医療などの技術を日本に伝えた。特に朝鮮半島の戦乱から逃れて日本に渡ってきた秦氏や漢氏などの一族は日本各地に配置させられ、大きな役割を果たした。
彼ら渡来人がいたち川流域に多く居住していたのではないかと推測させる根拠が「いたち川流域横穴古墳群」の存在である。

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鍛冶ケ谷の横穴墓を見学する署名の会の保全チーム
(2010.2)
横穴墓が造られたのは7世紀だが、いたち川流域にある横穴墓には棺を納める玄室のさらに奥室とも言うべき部屋を持つ「鍛冶ヶ谷式」と呼ばれるものがある。内部は極めて小さく、木棺を納めるのは難しい。
小さな奥室は火葬骨または洗骨を納めるものだったと思われ、これらは当時の一般的な葬法ではなかった。そのため、「鍛冶ヶ谷式」は土地の有力者のためのものではなく、渡来人が造ったものではではないかと推測されるのである。そしてその渡来人こそが、製鉄という特殊な技術を有する業に携わっていたのではないだろうか。

編集部注:本郷生まれ本郷住まい
ちなみに北條祐勝さんは東京・本郷生まれで、栄区の本郷地区在住と“本郷づくし”だそうです。
なお明治17年(1884)の町村合併により誕生した「本郷村」は鍛冶ケ谷、上野(かみの)、中野、桂、公田、笠間、小菅ケ谷の7つの村からなり、明治30年末の戸数は438戸、人口3010人とある。(『戸塚区史』より)

瀬上沢緑地の今

少年野球チームが練習中でした 横堰前の土地造成工事のその後!

ある日、突然ユンボが地ならしを始め、運び込まれた大量の黒土。
東急建設による「立ち入り禁止」の看板が目立つ瀬上沢緑地の横堰前で始まった土地造成工事が何の目的で始まったのかについては諸説が入り乱れていましたが、このほど届いたMooさんの写真で、ようやくそのナゾが解けました。

円海山の頂きに近い「港南台さえずりの丘公園」のグラウンドが地下の配水地工事の余波で使用不能となったため、少年野球チームの練習用に旧駐車場スペースの脇に黒土を運び込み一時的に貸した、というのが事の真相だったようです。
しかし耕作放棄地をグラウンド様に改変することは、開発計画の再提案に向けた既成事実づくりとの指摘もあり、引き続き監視活動が必要なようです。


2月12(土)昼過ぎ、たまたまキャッチした横堰前の練習光景

自然の宝庫・円海山-春

感激!「ノスリ」に遭遇しました 2・20ネイチャーウォーク参加記

絶滅危惧種のひとつとされる猛禽類の「ノスリ」。
これまで瀬上沢の上空を遊弋(ゆうよく)する姿を見かけたことはありますが、「あれがノスリだ」と指さされる先ははるか天空の彼方で、トンビかタカかまるで不明の黒い影にすぎませんでした。

ところが20日に開かれた神保賢一路さんの「ネイチャーウォーク」では身近にノスリの姿を見ることができ、あらためて円海山麓一帯の自然の豊かさを味わうことができました。(望遠鏡では指呼の先!)

「身近な自然を楽しむ」というコンセプトで開かれたこの日の「ネイチャーウォーク」には署名の会の有志3名を含めて約10名が参加、途中でノスリの姿を捉えるというハッピーな出会いはじめ、3時間たっぷりの自然観察を通して、私たちの暮らしのすぐ身の回りに横浜随一とも言われる豊かな自然が残されていることを知ることができました。

あいにくカメラの電池切れで、権現山展望台から眺めた貴重な樹林相やノスリの姿を紹介できず残念……。
なお3月13日(日)には同じ神保さんを講師に、署名の会も協賛する「里山の春を歩く会」(2月9日付けブログ参照)が開かれるのでふるってご参加ください。(M&M)


庄戸地区の遊水地はビオトープそのものの風情

■この日のコースは次の通り。
庄戸会館~庄戸第4公園~遊水地(トンボ池)~神戸橋~上郷6号緑地~いたち川小川アメニティ沿いに昇龍橋~白山神社跡~権現山展望台~長倉町小川アメニティ~横浜自然観察の森~ミズキの谷~円海山-天園ハイキングコース~大丸山~庄戸5丁目

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参考写真/左:昇龍橋、右:いたち川小川アメニティの緑あふれる道筋(2010秋)

■追記:この日出会った野鳥たち。

ノスリのほか、この日に出会ったのは(たしか)次の野鳥たち。
キジバト&ジョウビタキ(庄戸の住宅内)、コガモ、カルガモ(遊水池)、トビ、モズ、ツグミ、ヒヨドリ、シロハラ、ウソ&アオジ(声のみ)、キセキレイ(昇龍橋付近)、カワセミ(崖の巣穴とふんの跡だけ)、メジロ(大丸山階段)
注:ノスリ=ワシタカ類で、羽を伸ばした時は最大130センチ程度。杭や木の枝などの見晴らしのよい所にとまり、ヘビやカエル、小鳥などを捕らえる。

舞岡上郷線問題

補修工事ようやく本格化  署名の会、工事現場の見学会を要望へ

一昨年来、仮設構造での放置による老朽化が指摘され、ようやく予算措置が講じられ補修工事が始まった市道舞岡上郷線の上郷地区路線。

2週間前から工事請負の㈱キクシマの現場工事事務所が沿道に姿を見せたものの、K1およびK2の足場組み立てが中心で工事の実態は市民の目にはあまり見えませんでしたが、19日(土)朝には港南台方面から本郷車庫交差点に向かう車線で部分的な通行規制が始まり、工事が本格化してきたようです。

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K2橋や法面(のりめん)部の工事用の足場が組まれた
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工法の是非が注目されるK1橋
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もともと沿線両サイドの景観を問題視する市民は多かったが…

15日(火)午前、この問題の担当部局である市道路局建設課とのヒアリングの席で署名の会は、仮設橋の現状を明らかにし補修工事による安心安全を市民にアピールするためにも、工事現場の見学会を開いたらどうかと提案しました。

総額約5000万円で施工される補修工事は、しょせん老朽化による腐食を新しいペンキ塗装で覆い隠すにすぎない、との批判の声もあるだけに、当局の対応が注目されます。

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工事は朝9時から夕5時まで。ガードマンがおり、K1地下通路もしばし安全?

瀬上沢通信員だより

淡雪が残した傷跡  瀬上の遊歩道をチェック!

横浜地方を襲った時ならぬ雪。
春の淡雪で、あっという間に消えてなくなりましたが、たっぷり重い雪の影響か倒木被害も出たようです。
16日(水)、のどかな日差しに誘われ、早速、山道をチェックし整備作業に汗をかいた I さんから最新の写真が届きました。

市民の森全体では相当数の被害が?
昨日、雪で折れた木が山径に倒れ掛かかり通行の障害と
なっている所が2か所あり、やむを得ず伐採処理しました。

これまでも大風や雪で倒れたり折れたりした木で、通行の
障害となっているものは適宜切ってきました。
いっしんどう広場へ向かう一本の道だけで2カ所ですから、
市民の森全体では相当数あるでしょう。

たいした積雪でもなかったのに折れているのは、タイワンリスに
よる食害や葛蔓などの蔓性植物により木が弱っていたのかも
知れません。(I.T.)

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馬頭の丘付近の道をふさぐ倒木。右が伐採後
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瀬上池に降りる道にも。右が整備後


自然の宝庫:円海山―春

2・20「ネイチャーウォーク」のご案内  神保さんからの便り

3月13日(日)に「里山の春を歩こう会」(署名の会も協賛)の講師をお願いしているNPO法人グリーンプログラムの神保さんから、一足早い「ネイチャーウォーク」の案内が届きました。

日々色濃くなっていく円海山周辺の春の訪れ。
3月は予定が重なっていて13日は参加できないという方、体がうずうずしていて3月まで待てないという方、暮らしに身近な自然を観察してみたいという方……は、以下をご覧ください。


皆様へ

余寒の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
この連休は思わぬ雪に見舞われましたが、庭のあちらこちらからフキノトウが顔を覗
かせ、春は確実に近付いているようです。
さて、期日が迫っておりますが2月20日(日)9時より事務局周辺にて観察会を開
催いたします。(詳細は添付チラシまたは当会HPでご確認ください)

栄区は横浜市内でも数多くの猛禽類が観察される地域です。
ミサゴ、ハチクマ、トビ、ツミ、ハイタカ、オオタカ、サシバ、ノスリ、チョウゲン
ボウ、チゴハヤブサ、ハヤブサ(横浜自然観察の森、鳥リスト)の11種が確認され
ています。
猛禽類は生態系の上位に位置しています。これらの種が生息していく為には、多種多
様な環境が栄区には存在しているということです。

ネイチャーウォークでは栄区の自然と野生動物を訪ねてみたいと思います。
奮ってご参加ください。
申込み不要です。
お問い合わせはメールにて事務局へご連絡ください。

事務局 神保優子

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***********************
NPO法人グリーンプログラム
〒247-0022
横浜市栄区庄戸4-9-26
TEL/FAX : 045-896-1424
E-mail: jinbo@green-program.rer.jp
URL: http://green-program.rer.jp/

舞岡上郷線の近況について  現況&道路局の「回覧文書」から

このほど「栄区内における主な道路事業について」と題する横浜市道路局・栄区の連名による文書(1月20日付け)が町内の回覧ルートで届きました。(港南区も同様?)

で、その3が「舞岡上郷線(上郷地区)の近況について」。
昨年の舞上線検討委の報告書の概要が記されています。


「これまで、道路法の手続きについては、路線の認定のみで道路区域の決定や供用の開始の告示がなされてこなかったが、仮設構造物等の所有権が横浜市にあるという法的な見解と安全性の確認ができたことから、速やかに手続きを進めていくべきである。」

私たちや議会関係者の度重なる指摘や追及によって、構造上の危険性や東急建設との不適切な関係(クリントン元大統領みたいですね)が明るみに出て、ようやく市による補修工事に至ったわけですが、さてその後、道路局はどうしたのでしょうか? 次のように記されています。

「今回の報告書を受け、道路法の手続きについては、平成23年1月14日に舞岡上郷線(上郷地区)の道路区域を決定し、供用を開始しました。」

それがお役所流のツジツマ合わせなのでしょうが、なんだかオカシイ。
仮設状態で20年余も風雨にさらし老朽化・腐朽化を放置したあげく、市民の追及でようやく応急的な補修工事着工。そんなイキサツに対する釈明の言葉は一切なく、「平成23年1月14日から供用を開始」なのですら……。


さて、肝心の工事はどうなったのでしょうか?
「12月に請負業者が決定し、2月に工事に着手予定」とありますが、実は1月31日、現地に近い上郷町内会館で請負業者である株式会社キクシマによる説明会が開かれ、すでに舞上線沿い、神奈中の本郷車庫手前にはキクシマの現場事務所用のコンテナハウスが設置されています。

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こんなアブナイ状態がようやく改善される?=仮設橋K1

工程表によれば、塗装&防水工事の終了が3月23日、足場撤去や後片付けを含め工期は3月31日まで。また工事の施工時間はAM9:00~PM5:00(日曜休業)となっています。
週明けの明14日(月)から本格的な工事が始まるとみていいようです。

が、それより何より、実はこんな予算(総額約5000万円)、こんな短期間の応急工事で本当に舞上線の安全安心は担保されるのか、と不安視する声も多数寄せられています。引き続きこの問題からは目が離せません。

なお本件に関する情報は署名の会 E-mailアドレス:syomeisegami@yahoo.co.jp へ。
また、ご意見やお問い合わせは、道路局建設課の安達さん=☎671-3556へ!

追記 同じ回覧文書には、「舞岡上郷線は平成2年8月から一般の交通の用に供し」とあります。これって「供用」では?

「瀬上の春を歩こう会&学ぶ会」のお知らせ

3・13 里山の春を歩こう! 瀬上から大丸山(おおまるやま)へ

つい先刻、横浜南部の当地でも久々に雨が降り始めました。
雨量がどれぐらいになるかわかりませんが、自然界の動植物にとっては「恵みの雨」と言っていいようです。

このところの干天で、野も山も街中も、カラカラ。
拙宅の猫の額ほどの庭先の小さな池に小鳥が水を飲みにくるようになり、驚いていたのです。
それほど水辺・水たまりが近隣から姿を消していたのでしょう。

さあそろそろ就寝タイムと考えていた矢先、先に予告した3月のウォーキングのチラシが届きました。
神保さんの「観察ポイント」が添えられています。
瀬上沢から横浜最高峰の大丸山、そして第2の主峰である円海山をめぐる里山里地の自然観察会。
ブログ読者の皆さんもふるってご参加ください。わたしたち署名の会もこの企画に協賛し、仲間たちも多数参加するはずです。

というわけで、これからしばらくは「いたち川」が氾濫しない程度に大いに降って、3月になったら穏やかな晴天が続くといいなア……などと天に祈っています。(M&M)

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■お知らせ
本件に関するお問い合わせは、チラシ記載の協賛団体である「緑遊クラブ」へ。
アドレスは midoriniasobu@yahoo.co.jp

「瀬上の春を歩こう会&学ぶ会」お知らせ

瀬上沢&円海山~大丸山 里山の春の魅力を探ろう 協賛しています
3月13日、ともに歩きましょう!

日本全国寒気に覆われ、大雪による被害が相次いでいますが、立春が過ぎ、野でも山でも街角でも日増しに春の気配が色濃くなってきています。
そんな折りも折り、里山の春と出会う、うれしいイベントのお知らせが届きました。
「瀬上の春を歩こう会&学ぶ会」が主催する里山ウォーキングの会。

昨年10月に開かれた「瀬上の秋を歩こう会&学ぶ会」の中心的メンバーだった港南区・栄区の市民有志が、「春夏秋冬、四季折々にウォーキングを楽しみ里山の魅力を再発見しよう」と企画したもので、今回も緑遊クラブと並んで署名の会が協賛、広報活動の一端をになうことになりました。

「3月13日(日)、瀬上沢&円海山~大丸山 里山の春を歩こう」

ガイドは昨年の「学ぶ会」で講師をつとめ、該博な植物・生物に関するお話で参加者を魅了した神保賢一路さん。
春先は生き物としての人間にとっても蠢動(しゅんどう)……何かと活動が活発になる忙しい時期で、タイトな日程の中を今回も講師役をつとめていただけることになりました。

なお詳しくは、チラシが届き次第、ご紹介します。日程キープの上、暫時お待ちください。

地域情報コーナー

横穴墓と製鉄遺跡のこと 北條祐勝さんのお話から

1月29日、土曜の昼下がり。
11時から1時間、港南台駅頭で行った定例の街宣行動のあと、参加した有志4名がランチタイムもそこそこに向かったのは本郷地区センター。
「いたち川流域の横穴古墳と古代の技術者集団について」と題する昼下がりの「夜話会」に馳せ参じたのです。

栄区内に点在する横穴古墳のことや舞岡上郷線の下に眠る深田製鉄遺跡については、昨年5月9日&29日、また7月24日付けなどで取り上げ、会として舞上線の補修工事などによって破壊することのないよう市に対して申し入れていますが、今回はその歴史的由来や価値などについてレポートします。(I.T.)

鍛冶ヶ谷式横穴墓と製鉄遺跡のこと
先日、上郷の光明寺の先代住職で本郷郷土史研究会の代表である北條祐勝さんによる「横穴墓」についての講演会が本郷地区センターで開催されました。
郷土史に明るい方と思ってはいましたが、もともと大学でのご専門が中国西域の高昌(こうしょう)国、麹(きく)氏の研究ということで、広い視野から俯瞰した郷土の歴史が語られ、中身の濃いお話を聞くことができました。

以下、当日の北條さんのお話をベースに、興味深いポイントをいくつか挙げてみます。

イ) 深田製鉄遺跡の周りでは、昔から多量の鉱滓(製鉄時に出るカス、カナクソ)が転がっていて、村人はこれを集め道普請の際、砂利のように道に敷いていた。
ロ) 製鉄遺跡は、鉄から農具や包丁を作る野鍛冶(精錬)の跡か、鎌倉以前の刀鍛冶の跡と思われていたが、発掘してみるとさらに時代を遡った7世紀中葉から始まり約200年間続いた製鉄(製錬)遺跡であることがわかった。驚くとともにその重要性に鑑み当面は埋め戻して保存し、然るべき時にじっくり再調査することとなった。
ハ) 先の発掘調査時にはその時の地面から4メートルしか掘り下げておらず、その下にも、また尾根の上の方にも未発掘の部分が残されている。
ニ) 鎌倉以前の刀は俘囚集団(朝廷に帰属した蝦夷)の作っていた舞草(もぐさ)刀を源流とするもので、舞草刀は餅鉄と呼ばれる砂利状の(磁石に付く)原料から作られていた。白山神社も東北系であり馬頭を守護神とし、鍛冶と関係が深い。
ホ) 朝鮮半島を経由してやって来た渡来人の秦(はた)氏や漢(あや)氏などは、製鉄・製塩・養蚕・機織り・建築土木技術・朱砂(水銀から作る朱)などの先進技術を持っていて、大和朝廷により地方に移住・派遣させられた。機織りの機(はた)はもともと秦であっただろう。
ヘ) 縄文後期・奈良時代の住居跡が発掘された現在の横浜栄高校が建っている所は、猿田と呼ばれているが、朱と関係の深い猿田彦とのからみも考えられる。渡来人集団が住んでいたのではないか。
ト) 鍛冶ヶ谷式横穴墓はその特徴として、玄室の奥にさらに小さな棺室が設けられているが、火葬による遺骨の少量化があってのお墓であろう。火葬という習慣もその当時日本にはなく、鍛冶ヶ谷式横穴墓は渡来人が作ったものではないか。ますます製鉄との関連が強い。(舞上線を挟んで製鉄遺跡の反対側の山腹に横穴墓が2基存在する。)
チ) 仏教では世界は、水・火・土・風・空でできていると考えられていて、人が亡くなると、その何れかに戻るものとされている。従って、それらの元素の後に葬をつけた埋葬の方法が存在する。インドでは水葬……河に遺体を流すが、ワニが後を引き受けることとなる。ワニは神格化されていてクンビーラとよばれている。日本の金毘羅(こんぴら)はこれに由来する。

注:高昌(こうしょう)は中国の南北朝時代から唐代にかけて現在の新疆ウイグル自治区のトルファン地区に存在したオアシス都市国家。麴氏は高昌国の王、麴嘉(きくか。生没年不詳、在位501年頃~ 525年頃)にちなむ。


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人気講座だが、あるいは追加申し込みが可能かも?

注:本郷地区センター ☎892-5310


重要なお知らせ
ブログはHP(ホームページ)と違って制作&発信がたやすい反面、過去の記事の検索が難しいのですが、たとえば本件のような場合、ページ左の「過去の記事」コーナーで2010年5月または7月をクリックすると当該記事を読むことができます。(ブログ制作本舗)

瀬上沢通信員だより

霞に浮かぶ富士夕景  梅沢山休憩所近くからの眺め

2月3日、円海山ハイキングコースのひとつ、「光明寺-梅沢山ルート」沿いの見晴台休憩所に続くポイントである梅沢山(ばいたくさん)休憩所近くから眺めた富士山の夕景が瀬上沢通信員の I さんから届きました。

「急に春めいた日の夕暮の一時、霞に浮かぶ富士のシルエットが忽然と現れ、思わずシャッターを押した」とのこと。
春霞に浮かぶ幻想的な富士の姿……立春を迎える時候ならではの絶景です。

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■氷取沢の紅梅、満開です (後送分)

5日(土)朝のNHKテレビ「おはよう日本」で小田原の「梅まつり」を紹介していたのですが、曽我梅林の梅が例年より10日早く咲き、今が見頃とか。

連日の厳しい寒さの“体感”から、梅の開花も遅れそうというのはヤワな人間の思いこみで、野や里の自然は春の日差しをたっぷり受け次々と芽生えていたのですね。
というわけで、1月22日に氷取沢で I さんがとらえた紅梅のショットを遅ればせながら添えます。

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プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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