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横浜みどり税充当事業検証:4

慣例? 不適切? 買い取り手法 
「野七里特別緑地保全地区」買い取りめぐる諸問題


「野七里特別緑地保全地区」(全5.6ヘクタール)の誕生と、その直後の市による買い取りについては1月28日付けの記事でレポートしましたが、先ごろ情報開示請求によって開示された横浜市と地権者(土地所有者)との間で交わされた公文書類をチェックすると、特緑指定から用地買い取りに至る売買契約の記述の行間に意外な事実が隠されていました。
 なぜ? どういう経過で? 
 手法や買い取り金額は妥当なのか? 
 これまでも慣例的にこういう形で樹林地の特緑指定や買い取りが行われてきたのか?
 また、市会の関連常任委における審議はどういうものだったのか?

短期間のうちに6億7000万円もの緑地の買い取りが行われ、しかも一般市民の目には殆どわからない形で公有地の贈与や取得を経て、民間の所有から市による所有へ。

環境創造局による「みどりアップ政策」の執行状況について注目してきた署名の会関係者の間でも、今回の市(横浜市側はいずれも荻島環境創造局長名)と地権者間の交渉経過について疑問視する声が日増しに高まっています。
以下、経過の概要を。
「野七里特別緑地保全地区」全5.6ヘクタール  
 →H23年度~24年度にかけて85.7%を市が買い取り 
 ・23年度 19504平方メートル 2億7111万円 
 ・24年度 28510平方メートル 3億9629万円         
     計 48000平方メートル 6億6740万円

◎時系列の動き
H22年 7月 環境創造局が「野七里特別緑地保全地区」の指定を起案(地権者4人)
同     都市計画の方針決定
同 11月 指定予定エリア内の公有地の贈与・払い下げ
H23年 3月 「野七里特別緑地保全地区」決定告示
同  4月 14日付けで地権者が該当地区の土地改良等について許可申請
同     21日付けで市が申請を却下(横浜市環創関調指令1号)
同  5月 地権者4名が上記却下を理由に土地買入申出書を市長宛に提出

以上の経過を経て、H24年1月、6月、7月と3回に分けて、22年11月に無償贈与したばかりの公有地(地目=用悪水路)を含む全5.6ヘクタールのうち、上郷町野七里ケ谷1575番19ほか計50筆、合わせて4万8000平方メートルの山林を6億6740万円で買い取り。

このうちH24年6月に買い取った15筆の山林の中にはH22年11月、 市が地権者に払い下げた公衆用道路用地263㎡、また贈与した用悪水路286㎡(3筆)が含まれているのです。
単価は一律13900円/㎡、金額にして計766万6000円と、買い取りに要した総額6億6740万円からみれば1%強にすぎません。
しかし事前に贈与した土地をわずか1年半後に有償で買い取ることはいかにも不自然です。

調査班では引き続き「野七里特別緑地保全地区」および「大丸山近郊緑地特別保全地区」の市による買い取りの経過をレポートするため、環境創造局などに情報開示請求を行っており、近く続報の予定です。

■注:「用悪水路」&「公衆用道路」って何?
今回、「地目:山林」とひとくくりされた中に含まれて(隠れて?)いた「用悪水路」そして「公衆用道路」。一般には余り聞きなれない用語ですが、概要次の通り。
不動産用語で「地目」のうち、以下のような定義です。
・用悪水路=灌漑(かんがい)用または悪水排泄用の水路
 さらに、「悪水(あくすい)」って何?
 1 飲用・灌漑(かんがい)などに適さない水。
2 汚れた水。汚水。
・公衆用道路=一般交通の用に供する道路(道路法=昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない)
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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