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上郷開発NO! アセス審批判―2(討議資料篇)

偏見に満ちた「反対意見」封じ アセス審における菊本委員の発言を問う

今日は朝からブログのカウンターが急伸しています。
東急建設による上郷開発の「新事業計画」について、環境影響評価面では「問題ナシ」と、30日(月)の午後開かれた平成26年度で4回目となるアセス審査会が市長宛の答申案を了承したことへのリサーチだと考えられます。

「アセス審批判―1」でふれましたが、事務局である環境影響評価課がまとめた市長宛ての「答申案」では、市街化調整区域における大規模な開発事業計画そのものへの疑問や批判については全くふれられず、しかも開発エリアの地盤面はじめ様々な問題点を指摘、批判してきた本ブログへの菊本委員の偏見に満ちた意見(5月27日の発言に加筆)を侮蔑的表現を含めてそのまま了承しているのです。

審査会の審査は「市街化区域の中に市街化調整区域が入り込む形」となっていることを特色とし、指定都市の中では「比較的市街化区域の割合が少なく、良好な低層住宅地の多い都市であり、なおかつ身近な自然を住民が享受しやすい環境」であることを“都市としての魅力”としてきた横浜(『横浜市民生活白書2009』)において、都市計画提案制度という現行法規上の手法を隠れ蓑?にした大規模開発が自然環境や周辺の住環境に与える影響について、一部の委員から出た質問や意見を積み残したまま、「本質的な環境保護の観点」(菊本委員の言葉)から疑義を呈し、その問題点を洗いなおすよう求めた市民要望に応えることなく、役割を放棄したものとなっています。

以下、審査会の問題点や菊本委員の反対運動への偏見に満ちた見解を知るため、会議録の要点を「討議資料」としてそのまま抜粋、掲載します。

それにしても……なぜ、横浜市の審議会という公的な場で、会長以下の有識者と言われる識者が「環境保護の観点で開発に反対する」(菊本委員の言葉)立場からのブログの意見を、悪しざまに「盲目的かつ一方的に書かれていることを残念に思っている」という菊本委員の侮蔑的・差別的言辞による批判そのままに了承したのか? 

先の公聴会における「ヘイトスピーチ」の黙認(都市計画課)同様、環境影響評価課の担当職員の人権感覚?を疑わざるを得ない状況の連続を、どうとらえたらいいのでしょうか?

■討議資料1:5月27日=平成26年度第2回審査会において代読された菊本委員の意見

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土壌工学を専門分野とする菊本委員を訪ねた事務局担当者による包括的な「菊本調書」の紹介。
欠席者への質疑は出来ず、これ以降、東急建設を交えた審議は交通問題に移り、地盤問題は実質的に幕引き?



■討議資料2:6月30日=第4回審査会において確認された第3回における菊本委員らの発言


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注:佐土原会長=横浜国立大学大学院教授     専門分野:都市環境工学
  津谷委員=横浜ブナ林法律事務所長、弁護士 専門分野:法律
  水野委員=日本気象協会参与           専門分野:大気汚染問題

上郷開発NO! アセス審批判―1

なぜ私企業の開発利益を優先? アセス審、上郷開発計画「容認」の答申へ

30日(月)午後開かれた横浜市環境影響評価審査会(アセス審、佐土原聡会長)は、東急建設による「上郷開発事業計画」に関する林市長宛ての答申をほぼ事務局原案通りに了承、いよいよ瀬上沢緑地の大規模開発の是非をめぐる判断は市の都市計画提案評価委員会における検討にゆだねられることになり、瀬上市民の森に連なる市内有数の緑地における環境破壊の危機が再び現実的なものとなってきました。

答申案は審査会の事務局である環境影響評価課(環境創造局)がまとめたもので、本年1月に提出された新事業計画は「環境影響評価面で概ね妥当であり、環境保全措置を確実に履行すれば環境に及ぼす影響は環境保全目標を超えて増加するおそれはない」というもの。

しかしながら1月の新事業計画案提出に伴う市長名による諮問を受け、2月18日(平成25年度第7回)から前回6月17日(平成26年度第3回)まで合わせて6回に及ぶ駆け足の審査では、わたしたちがとりわけこの開発事業計画の最大の問題点=致命的欠陥として指摘してきたことには正面から答えていません。

「なぜいま市街化調整区域の緑地を破壊して市街化区域とするのか」
「なぜいま軟弱地盤で大規模な盛土造成をしてまでして宅地造成を行うのか」

答申の「審査意見」は、
 1.事業計画の修正に伴う環境影響の変化
 2.旧事業計画に対する審査書における市長意見への対応
 3.環境に配慮すべき事項
の3項目からなるのですが、盛土問題については3-5)盛土造成で以下のように記すだけです。

盛土造成の設計施工に当たっては、事前に地盤の調査(ボーリング調査と土試料の圧密、せん断試験)を行い、含水比が高い軟弱な地盤の場合には盛土前に圧密沈下対策を行ってください。また、各種法令等を遵守し、法面勾配や排水工に留意した設計を行うとともに、締固め施工管理基準を守って施工してください。

盛土造成? 軟弱地盤の圧密沈下対策? 法令順守? 締固め施工?
……若年層の流出や高齢化による人口減で空き家の漸増が注目され、地域コミュニティの維持・再生が課題となる郊外住宅地に囲まれた市街化調整区域の緑地で、なぜいま新たに宅地造成を認めるのか? こうした手法による区域区分の変更が「蟻の一穴」となり市街化調整区域の緑地破壊を伴う宅地造成が市内各地に波及する恐れがあるのでは?

なおまたこの答申の審議に入る前に行なわれた前回6月17日の第3回審査会の「会議録」の確認にあたっては、先に本ブログで指摘した菊本委員による「トンデモ発言」問題に関連して、出席した10名の委員が当の菊本委員の事後の加筆訂正を経た発言を了承したのですが、そこでは本ブログの記事について「私の意見を正しく理解せずに闇雲に反対意見を述べる」「開発に反対する方のブログでは、盲目的かつ一方的に書かれている」などと、人権上も看過できないトンデモ表現・意見が散見されます。

引き続き「アセス審批判ー2」で今回の会議録及び答申の問題点を追及していきます。ご注目ください。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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