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上郷開発NO! 市の素案案に異議あり(続々)

災害に強い土地の見分け方 地震地盤工学・若松教授のコラムに学ぶ

NHK「備える防災シリーズ」のHPから、朝日の記事で紹介された関東学院大学の若松加寿江教授(地震地盤工学)の地盤と災害の関係に関する興味深いコラムを紹介します。http://www.nhk.or.jp/sonae/author/wakamatsu.html

    wakamatsu.jpg 若松加寿江教授

地盤と災害の関係
・第1回 良い土地と良い地盤はどう違う? ~災害に強い土地の見分け方~
      良い地盤は年功序列で決まる? 標高5m以下の土地には超軟弱層が堆積!
・第2回 風景は地盤なり ~災害に強い土地の見分け方~
      三保の松原と鳥取砂丘は生い立ちが違う! ニッポンの原風景は地盤を物語る
・第3回 川の氾濫と液状化の不思議な関係 ~災害に強い土地の見分け方~
      旧河道や盆地の「島」は危険地帯! 丘陵地でも液状化は起きる!?


若松教授のプロフィール 関東学院大学理工学部 教授 博士(工学)
日本女子大学住居学科卒業、早稲田大学理工学研究科建設工学専攻修士課程修了、早稲田大学理工学研究所研究員、東京大学生産技術研究所研究員、独立行政法人防災科学技術研究所研究員などを経て、2008年より現職。公益社団法人日本地震工学会副会長(2011~2012年度)。専門は地盤工学・都市防災工学。著書に「日本の地形・地盤デジタルマップ」(共著・東京大学出版会)、「日本の液状化履歴マップ 745–2008」(東京大学出版会)などがある

さて、我らが上郷の場合は?
市街化区域の中に市街化調整区域の樹林地が入り込む形で住宅地が拡がってきた郊外部。
既成市街地はおおむね台地や平野部を切り開く形で宅地造成が行われてきたのですが、「土砂災害ハザードマップ」を見ると明らかなように、土砂災害警戒区域が各地に点在しているので、若松教授のコラムを読むと、いま私たち自身が住んでいる土地の安全性に「?」がつく場合があるかも。


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 持続可能? 上郷開発計画による埋め立て地の安全性に危惧は?

若松教授のコラムは安心安全な住環境の見分け方、住まい方、そして地震地盤工学面からの対応策についてガンチクに富むもので、災害列島に住む私たちにとって上郷開発計画の賛否を問わず必読の内容ですが、とりあえず上郷猿田&深田地区にとって参考になる記述をピックアップします。

■第2回から ニッポンの原風景 ―田んぼ―
洪水が繰り返されると、川沿いには周囲よりわずかに高い「自然堤防」と呼ばれる砂地の地形が出来ます。洪水の度に自然堤防が高さを増していくと、その背後には、水はけが悪い粘土質の土地が出来ます。これは「後背湿地(こうはいしっち)」と呼ばれています。昔は、自然堤防の中でも一番高い土地に、村を守る神社を建立し、次に高い場所に集落が出来ました。自然堤防の低い部分は野菜畑として利用してきました。水はけの悪い粘土地盤の「後背湿地」は、稲作に最適でした。このように地形や地盤の特徴に即した土地利用形態が「日本の原風景」です。
地盤災害から見ると、自然堤防は砂地盤のため「液状化現象が起こりやすく」、「後背湿地」は粘土地盤のために「起こりにくい」とみなされます。しかし、最近では「後背湿地」に盛り土をして宅地や工場が建ち並ぶようになりました。盛り土は、一般的には砂が使われます。水はけの悪い「後背湿地」の上の砂盛り土は、液状化しやすい地盤を生み出すことにほかなりません。

■第3回から  丘陵地帯でも液状化?
丘陵や台地などの傾斜地の地形をよく見ると、斜面に谷や沢が走っているのが分かります。宅地化する場合、急斜面や谷底には家を建てられないことから、尾根などの出っ張った斜面を切り崩して、その土で谷や沢を埋め、ひな壇状に宅地を造成します。地山を削った部分は安全ですが、谷の部分は元々地下水や雨水の通り道のため地下水位が浅く、埋め土が十分締め固められていないと、地滑りや液状化が発生します。
東日本大震災では、仙台市の丘陵地帯や、千葉県や茨城県の台地を切り盛り造成した宅地で、埋め立て地と同じくらいの数の住宅の液状化被害が発生しました。造成後の地形から谷筋を見分けることは困難ですが、水路や池がある場合は、造成前は谷だったことを示しています。

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 栄区土砂災害ハザードマップ(H26.12)から。色地が土砂災害警戒区域

お知らせ:明日23日、本年最後の街宣です
なお署名の会&守る会は明日23日(水・祝)の午後、港南台駅頭で今年最後の街宣活動を行い、11月30日夜に栄公会堂で開かれた「都市計画市素案(案)説明会」で示された上郷猿田地区における線引き変更(市街化調整区域→市街化区域)による大規模な宅地造成計画に対して、自然環境の保全に加え、住環境の安心・安全の観点からの「異議申し立て」を行う予定です。

マイクでの訴えやチラシ配布に加え、9月スタートの新しい署名活動も行う予定ですが(雨天中止)、現場では市素案案への疑問点・批判点、また人口減社会を見据えた郊外部におけるまちづくりのあり方など、建設的な意見交換大歓迎です。師走のお買い物やお出かけのついでにぜひお立ち寄りください!

上郷開発NO! 横浜市の素案案に異議あり(続)

開発予定地は「丘陵地の谷底」では? 

21日(月)付け朝日新聞の1面、32面、35面を使った防災に関する大規模な特集記事をベースに、横浜市と東急建設の合作による上郷開発計画の問題点を改めて考える記事を掲載したのですが、実はスキャンの都合で肝心の記事が後回し。
第2弾(続編)として同紙35面の記事の一端に加え平塚市の調査事例にふれた囲み記事を紹介します。

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第1弾と同じく朝日新聞の21日付け特集記事ですが、スミマセ~ン、記事が大きすぎて一部カットです。
という次第で、注目すべき右端の囲み記事を以下にワイド版で!


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  Special thanks to 朝日新聞さん、そして桑山記者
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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