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上郷開発NO! いま開発と災害の連鎖を問う(3)

行政の「不作為の罪」への警鐘
12・15 市会の「請願不採択」の問題点について


「守る会」「署名の会」が連名で市会宛てに提出した災害対策に関する請願の審査が12月15日に市会「政策・総務・財政委員会」において行われましたが、請願の趣旨が委員に十分理解されていないこともあり、市側のポイントを故意にずらせた説明・答弁で委員の大多数が納得してしまい、採決の結果、残念ながら請願は不採択に。

請願審査の問題点とその顛末(てんまつ)をまとめた25日付けの文書が世話人会から届きましたので、お届けします。

なお常任委における審議については、中継録画が市のHPにアップされておりますので、併せてご覧ください。(10:12~10:44)
https://gikaichukei.city.yokohama.lg.jp/g07_Video2_View.asp?SrchID=4033 


   2020年12月15日 請願審査について

                2020年12月25日
                 上郷開発から緑地を守る署名の会
                 上郷 ・ 瀬上の自然を守る会

日時:2020年12月15日(火) 10:1 2~ 1 0: 4 4
場所:横浜市庁舎委員会室 1  「政策・総務・財政委員会」

 いつもながら、請願の内容が委員に十分理解されておらず、加えて市側の請願の論点を故意に外した説明・答弁により、委員の一人を除き残り全員が疑問を持つことなく市の思惑通りの方向に誘導されるところとなり、請願は不採択となっています。
 請願審査において横浜市は、誰も正確に予測できない自然現象である地震について、「横浜市が独自に想定する元禄型関東地震が横浜市に最大の被害をもたらす」との従来からの主張を変えていません。これは、神奈川県の同地震の被害想定と大きく異なります 。
 神奈川県は、横浜市における元禄型関東地震について横浜市の想定よりも1・2段階震度が大きいと想定しています。神奈川県は大正型関東地震を想定地震として採用しており、元禄型は参考として位置付けていますが、その想定震度は元禄型関東地震と同程度です。
 同じ元禄型において市と県で震度想定及び被害想定が大きく異なり、震災対策に格差が生じる結果となっています。 (請願添付資料1、3参照)
 横浜市は、この格差の存在を想定時期の差によるものと説明していますが、未だこの格差の是正をしておらず、国の防災基本計画が2011年の東日本大震災後に付加した「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震を想定して対策を構築する。」に反しており、かつ既にお知らせした「横浜市と神奈川県の間の震災対策における格差」を認識している国の答弁書に対しても全く整合していません。(下記3参照)
 請願書にも記してあるとおり、政府の地震調査委員会は、「横浜で今後30年以内に震度6弱以上の大きな地震が発生する確率は、82%の高率になっている。」と公表しています。
 これまで、大きな地震が発生しなかったことが幸いであり、横浜市と神奈川県の間の震災対策における格差が示す通り、震災時の横浜市民の安全保障レベルが低いまま放置されていることは、一刻も早く是正されなければならない重要問題です。
 この問題について法的根拠やデータを詳しく明示した請願書を提出しても、このような横浜市と市会の請願審査のあり方は、市民に対する背任行為であるといえます 。
 横浜市は請願の趣旨を十分理解しながら、震災時の市民の安全保障レベルが神奈川県のそれに比べ一段と低い状態が、これまで放置されてきたことが明るみに出るのを、どうしても避けたかったと思われます。さらに、理由にならない言い訳をしながら修正しないことを強弁しつつ、次回改正時には何とかすると匂わせています。
 また、この請願審査における横浜市会の立ち位置が、横浜市に都合の悪いことには賛同しない」というものであることも明らかになっています。
 下記にその問題点と、それへの解説を記します。
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             <記>
 
横浜市の説明・答弁(「 」カッコ内)の問題点と、それへの解説(⇒)

1.「横浜市が想定する元禄型関東地震(以下元禄型という)の方が神奈川県の想定する大正型関東地震(以下大正型という)よりもマグニチュードが大きく、強い地震である。」、「横浜市と神奈川県両者の想定においても、元禄型の方が大正型よりも地震の規模は大きい。」
 ⇒マグニチュードは、震源地における地震エネルギーの大きさを表すものであり、震源までの距離や途中の地盤などの要素により被災地の震度は異なる。
 神奈川県も元禄型のマグニチュードを8.5、大正型を8.2と想定しており、震源地における地震の規模については、市と県の間でその想定に差異はない。
 しかし、震災対策において重要なのは、震源における地震の強弱ではなく、被災地となる横浜市における震度の強弱である。
 この重要な震度想定における横浜市と神奈川県の間の格差、ひいては震災対策の格差問題について関係のない震源地における地震の規模を意図的に言及することで、巧妙に論点を外しているように思われる。(下記2参照)

2.「元禄型が、横浜市に最大の被害をもたらす地震である。これは神奈川県も同じ見解。」
 ⇒神奈川県は、元禄型と大正型で同程度の被害を見込んでおり、この説明は正しい。
 しかし、横浜市が最大の被害をもたらすとしている元禄型の震度想定が、横浜市独自のものであり、県の想定する元禄型=大正型に比べると市域全体で1~2段階小さいものとなっている。   
 その結果、横浜市の被害想定における死者数が県の40%でしかなく、市と県の震災対策に大きな格差があることを表している。(請願添付資料1,3参照)

3.⇒上記2について、横浜市は「横浜市と神奈川県の防災計画策定時期の差による」との説明をしているが、市の策定より後に県が、より強い大正型を想定した防災計画を公表している。国の防災基本計画に明示されている「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震を想定」に則り、速やかに大正型を想定地震とした震災対策を策定すべきところ、これに反して想定地震の変更を行わず、ひいては震災対策における格差が是正されないまま現在に至っている。
 これは、災害対策基本法にある「必要に応じ毎年修正を加える」にも反している。

4.「地震の被害想定と地震が起きた時の対策は異なる。震災対策においては、横浜市が神奈川県に比べ不足しているとは考えていない。」
 ⇒横浜市側の説明では上記のほかに、「建物の耐震化と不燃化、耐震ブレーカーの設置などによって死者数を減らすことができる。」などと答弁しているが、死者数を減らす手段は、横浜市だけが講じているものではなく、横浜市も神奈川県も「地震防災戦略」の「まえがき」と「はじめに」において、死者数を半減するという目標を記している。
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 横浜市の被害想定は、小さい震度想定に基づくものであり、建造物の倒壊や火災、崖崩れ等の地盤災害、落下物などによる死者数も神奈川県の40%しか想定されていない。これについては、請願添付資料3にデータを提示しており、震災対策の程度は想定する死者数に比例すると考えられるので、横浜市の地震発生時の震災対応力は、県の半分以下となることが危惧される。

5.「横浜市と神奈川県で想定地震の異なる例として、川崎市と相模原市の例を挙げて説明」
 ⇒川崎市は横浜市と同様に県よりも弱い地震を想定しているが、相模原市は、地域特性を反映して神奈川県よりも強い地震を想定している。
 国の防災基本計画には、「関係地方公共団体は,国が減災目標等を設定した大規模地震以外の地震についても,地域の特性を踏まえた被害想定を実施し,それに基づく減災目標を策定し,国の協力の下,関係機関,住民等と一体となって,効果的かつ効率的な地震防災対策の推進に努めるものとする。」と記されており、相模原市は防災基本計画に整合しているが、県の想定よりも小さい被害想定をしている横浜市と川崎市は、地域特性を反映しておらず防災基本計画に反している。(「神奈川県と川崎市及び相模原市の地域防災計画(地震)における格差」参照)

6.⇒請願項目2. の「下記の項目5 ①~② を速やかに実施すること。」で求めた「①元禄型関東地震が、横浜市に最大の被害をもたらすという主旨の記述の削除」及び「②横浜市は、市民の震災対策における自助・共助に不備が生じないよう、現在公表している横浜市独自の元禄型関東地震地震マップに代えて、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震として神奈川県が想定する大正型関東地震の地震マップを市民に配布」について横浜市は、理不尽な理屈を弄して削除及び変更をしないと答弁している。
 ①については、上記3で述べたように、横浜市が「元禄型が横浜市に最大の被害をもたらす」と想定後、神奈川県がそれ以上の被害想定に基づき大正型を選定していることから、横浜市は、防災基本計画の「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震を想定」に則り、即刻大正型を想定地震とし、それに見合った対策を策定すべきである。
 横浜市は、どのような根拠で神奈川県が想定する大正型=元禄型のようなより大きい被害が発生しないと判断できるのか。
 ②については、横浜市が公表している「元禄型関東地震地震マップ」が、神奈川県の「大正型=元禄型地震マップ」よりも市域全体において、1~2段階も小さい震度を表していることは、明日にも大きな地震が発生するかもしれない中、市民の生命・財産に係わることであり、神奈川県が公表している、より震度が大きい大正型の震度分布地図に変更する必要がある。
 想定地震の変更による震災対策の修正には時間がかかると考えられるが、想定し得る最大クラスの地震の市民への周知は、すぐにでもできることであり、それを行わないことは、行政の背任行為であると言える。                        以上
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資料1:市会への請願書(11月30日提出)
今回の請願にあたっては三輪智恵美(港南区)、井上さくら(鶴見区)両市議に紹介議員となっていただきました。また常任委における審議では荒木由美子議員(南区)から力強い採択賛成の意見をいただきました。あらためて感謝の意を表します。


 2020年11月30日提出 請願書-1
  2020年11月30日提出 請願書-2
  2020年11月30日提出 請願書-3
  2020年11月30日提出 請願書-4
資料2:請願にあたっての添付資料

2020年11月提出請願 資料編-1

2020年11月提出請願 資料編-2

2020年11月提出請願 資料編-3

資料3:請願の審査をした常任委メンバー

  政策・総務・財政委員会

上郷開発NO! いま開発と災害の連鎖を問う(2)

震災対策、市と県は調整を  
11日、早稲田議員への政府答弁書届く


早稲田夕季議員が内閣宛てに提出した「質問主意書」への菅首相名の答弁書が届きました。
震災対策における横浜市と神奈川県の間の格差について、答弁書に示された政府の見解は、「可能な限り整合性が確保されていることが望ましい。一義的には市と県の間で調整されるべきであるが、政府としても必要な助言等を行ってまいりたい。」という画期的な内容です。

「守る会」「署名の会」はこの格差について、上郷開発が直視すべき「開発と災害」の問題点にとどまらず、広く横浜市民の生命と財産に関わるとの視点から横浜市と市会に陳情書を提出し、関係部署との複数回の話し合いをしてきましたが、市の震災対策はこうした矛盾を見直すことなく、放置されてきました。

今回、政府答弁書の形で判断が提示されたことは、市会第4回定例会に向けて「守る会」「署名の会」が連名で新たに提出した請願審査に大きな影響を及ぼすと考えられますが、市会「政策・総務・財政委員会」における審議・採決の結果は?(以下、続く)


■資料:政府答弁書
注:ちょっと読みにくいのですが、質問主意書&答弁書の書式を知るため、とりあえず受領ファイルのまま転載します。(大島衆院議長による前文は省略)
 答弁書_pdf_1-3

答弁書_pdf_1-4

  答弁書_pdf_1-5

上郷開発NO! いま開発と災害の連鎖を問う(1)

市と県の防災戦略の違い、なぜ?
早稲田夕季議員が内閣宛てに「質問主意書」を提出


年初以来、ますます深刻化の度を増す新型コロナウイルス禍。
東京や北海道、大阪などにおける感染者激増の陰に隠れてやや目立たないが、神奈川においても第三波の襲来によって医療崩壊への危険度が増し、今や感染者封じ込め策への緊急対応待った無し。

しかし国難ともいえるコロナ禍の陰に隠れてこのところ忘れられがちではあるものの、首都圏において巨大地震が発生する確率は減少することなく、今まさにカウントダウン状態。いつ、起こるか? 規模は? 対策は万全か?

こうした中、かねて私たちは上郷開発における大規模宅地造成がはらむ液状化、地盤沈下、崩落、下流域への水害など、様々な問題点を追及・追究し、開発と環境、開発と防災、開発と市民生活の安全安心‥‥などについて横浜市との面談などを通して明らかにしてきましたが、このほど地元神奈川4区の早稲田夕季議員(立憲)が衆院議長を通して内閣に横浜市及び神奈川県の防災計画の差違を問う「質問主意書」を提出したとの知らせが届きました。

回答が届くのは11日の予定。タテ書きでやや読みにくいのですが、時宜を得た問題提起として全文掲載します。
:上郷開発計画地の震度は、横浜市の想定では5強~6弱ですが、神奈川県の想定では6強で、一部には震度7や「液状化の可能性が極めて高い」エリアが含まれるなどの格差が生じています。
これは、横浜市が想定する横浜市独自の「元禄型関東地震」と神奈川県が想定する「大正型関東地震」(県では「大正型」と「元禄型」はほぼ同等の震度)との比較において、横浜市の想定する震度分布が、横浜市全体で1~2段階程度小さいものとなっていることに起因しています。

 
          防災計画調整質問主意書 提出版-1

 
 防災計画調整質問主意書 提出版-2

 
 防災計画調整質問主意書 提出版-3

 
   防災計画調整質問主意書 提出版-4

 
 防災計画調整質問主意書 提出版-5

 
  防災計画調整質問主意書 提出版-6


          防災計画調整質問主意書 提出版-7
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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