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横浜市長選への対応

 30日(日)に行われる横浜市長選にあたって、18日(火)、署名の会は3人の候補者宛てに瀬上沢の保全問題関連の公開質問状を提出しましたが、24日(月)の回答締切日までに中西、林の2候補、また1日遅れの25日(火)に岡田候補と回答が届きました。(もっとも中西候補は「回答せず」というファクスでしたが)
 そこで投票の参考までに各候補の回答を掲載しますが、まず質問状を掲載します。

                                             平成21年8月17日
 横浜市長選立候補者
          
             殿                  
                                     上郷開発から緑地を守る署名の会
                                              代表 山仲 章介

                 公開アンケートにご回答のお願い

 中田宏市長の任期途中での辞任を受けて後任横浜市長選に立候補されたことに対し、敬意を表します。
 この機会に、私ども「上郷開発から緑地を守る署名の会」(以後「署名の会」)は、緑豊かで暮らしよい生活文化都市としての横浜の改革と発展を願う観点から、市長選立候補者の皆様に公開アンケートを提出させていただきます。選挙活動でご多忙中のところまことに恐縮ですが、ぜひご回答いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

 私ども「署名の会」は、横浜市栄区上郷町に広がる緑豊かな瀬上沢の大規模開発計画に反対する個人・団体が結集して、平成19年6月に発足しました。
 事業者である東急建設株式会社の開発計画は、横浜7大緑地の1つである円海山の麓に広がる33.2haの広大な緑地を破壊してマンションや戸建て住宅、また大規模な商業施設や福祉施設を建設するというものです。計画地の瀬上沢一帯は市街化調整区域であり、東急建設は都市計画提案制度を使って市街化区域に変更して開発する、というものでした。
「署名の会」はこの開発計画には、以下の6点で大きな問題があると捉えました。
 ①計画地は横浜最大・最良の緑地の一部である 
 ②計画地は自然と文化遺産の宝庫である 
 ③瀬上沢は「水と緑の拠点として保全・整備・活用を検討する」との「栄区マスタープラン」に整合しない 
 ④都市計画提案制度本来の趣旨から逸脱した提案である 
 ⑤大規模商業施設は地元商店街に深刻な影響を与える 
 ⑥周辺地域の住民に、住環境の破壊だけでなく、交通渋滞や水害の発生などの悪影響がある

 そして「上郷開発」から緑地を守ろうと広く市民に訴え、地元の栄・港南両区のみならず市内各区また県内各地からわずか6ヵ月で9万2000筆を超える署名を集めることができ、平成19年12月、市長と市議会議長に署名を添えて、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める陳情書を提出しました。
 幸い私たち市民の訴えが実り、平成20年9月の第110回横浜市都市計画審議会で、「樹林地の大幅な土地の改変や近隣商業地域の指定は市のまちづくり方針との整合が図られていない」との理由により「上郷開発計画」は認めないと決定いたしました。

 その後、神奈川県による第6回線引き変更、都市計画の整備・開発・保全の方針の変更によって平成27年までは、市街化調整区域から市街化区域に変更しての開発は出来ないことが決定いたしました。
 しかしながら、開発計画そのものは否定されましたが、瀬上沢の緑地が全面保全されると決まったわけではありません。開発計画予定地の大部分はいまだ私有地であり、ミニ開発や乱開発などによる自然破壊の危険に曝されています。また平成27年に予定されている第7回線引き変更で、現在の市街化調整区域が市街化区域に組み込まれる可能性が無いとはいえません。そのような事態になると、緑の破壊を防ぐ手立てがありません。

 横浜市は「環境行動都市」を宣言して「今ある緑を最大限守る」方針を示し、中田前市長は市議会における答弁等を通して横浜の緑を守る象徴的な問題として上郷の緑について語り、「みどりアップ計画」を策定、「みどり税」を創設いたしました。しかし、上郷緑地について具体的な保全策を示さないまま市長を辞任いたしました。
 今後、上郷緑地はもとより市内各地に残された緑資源を保全し快適な都市空間を創出するためには新市長のご決断による所が大であり、私どもは立候補者の皆様の環境保全問題についての政策・構想に大きな関心と期待を持っております。そこで、この問題に絞っていくつかの質問をさせていただきます。


 アンケート項目

1 都市行政における市街化調整区域のあり方について伺います。これまで市街化調整区域は大都市においては「開発がまだ行われていない区域であるが、いずれは開発される区域」として扱われてきましたが、今後、市街化調整区域は、都市の中における貴重な生態系や緑資源を保存し、維持向上すべき都市空間として位置づけるべきではないでしょうか。
 回答

2 瀬上沢一帯は市街化が進む横浜市という都市空間にとって奇跡的に市街化調整区域として残ってきた貴重な自然環境、都市資源であると考えます。この区域は、平成27年までは用途地域変更による開発は不可能な地域として、横浜市の原案に基づき神奈川県において都市計画決定される見込みです。平成27年度以降も同様な位置づけを維持されるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 回答

3 市街化調整区域においては、線引き変更を伴う大規模な開発計画は不可能であるとしても、福祉施設、資材置き場、墓地などの開発は可能であるとされています。しかしそれでは都市空間としての位置付けと内容がどんどん後退していきます。私権の壁を乗り越えることはできません。そこでこの際、「みどり税」の投入を含め法的・財政的に抜本的な施策を講ずることによって瀬上沢一帯の全面保全の方向性を示すべきではないでしょうか。
 回答

4 以上3点を含め、横浜市における開発と環境、とりわけ自然環境と住環境の保全また維持向上についての所見をお寄せください。
 回答


追記 ご回答は8月24日(月)までに下記アドレス宛てご返信くださいますようお願いいたします。
syomeisegami@yahoo.co.jp

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プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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