市長ミーティング

その日、私たちが訴えたこと (備忘録) 

11月16日の昼下がり、横浜市役所の市長応接室で行われた林文子市長と署名の会代表10名による「第2回ティー・ミーティング」。

録音不可だったため意見交換の模様をメモに基づきまとめました。
短かい時間だったこともあり参加メンバーの発言はいずれもダイジェスト版的でしたが、瀬上保全の問題点と意義について包括的に訴えるものとなりました。


    ■資料 市長との「ティー・ミーティング」メモ  2010.11.16 

市長:皆さま、ようこそ。APECで横浜の名前が連日報道された。「横浜宣言」も発表され、横浜の名が世界に広がった。

YS:はじめに、私たちの会がどのような会なのかをお話しします。
   (署名の会が設立された経緯と、現在までの活動を説明)

市長:皆さんの、緑を残したいという気持ちはよくわかる。選挙活動中、公開質問状をいただきお答えした。その時、場所はわからなかったが、緑の保全は大事だと思っている。名古屋で開かれたCOP10では、里山をテーマに「水と緑の横浜」のプレゼンをした。緑の重要性はわかっているが、ただ市長になってからは、地権者の意向も考えなければならないとも思う。話し合いが大事だ。今、経済状況は厳しい。東急にも新しい開発の余力はないだろう。関係部局が所有者の意向を聞いている。先日、自然観察も森を、野鳥の会の柳生博さんと歩いて、感激した。私の趣味はバードウォッチングなので、緑と水の大事さはよくわかる。

MS:瀬上には水辺、樹林地、耕作放棄地などもあり、自然観察の森より豊かで多様だ。市の緑のベースとなりうるところだ。自然の豊かさには水が大事だが、観察の森には水がない。瀬上を生物多様性のモデル地区にしてほしい。

市長:将来を考えたとき、経済成長も視野に入れなければならない。バランスが必要、話し合いをしっかりとしたい。2020年から一気に人口は減少する。安心・安全な生活を考えなければならない。横浜は経済基盤を東京に持っていかれているので、横浜市は歳入・歳出のバランスが悪い。雇用の確保が課題。引きこもりの若い人たちを森に連れていきたいという気持ちはあるが…。市長になって、バランスを考えるようになった。

MM:市長の政策がらみで言えば、緑を活かし「森林療法」や「園芸福祉」の拠点として整備することも考えられるのでは?

IT:開発予定地のある栄区の人口は 2055年には現在の12万5千人から 3分の2の8万人となる。現在既に住宅地は余ってきているので、開発は必要がなく、ここを緑地保全の特区として指定していただきたい。

市長:慎重に検討したい。

UK:もし瀬上が開発されると、1300トンのCO2が発生する。人口減少の中、新たなショッピングセンターはいらない。東急は新たな開発を考えている。環境創造局は緑の保全をと言っているが、道路局は開発させて道路を作らせようとしている。

市長:各局が違う方向を向いているわけではない。縦割りではないと思うが、それぞれの局には使命があり、コミュニケーションは必要だ。局は市民が最良の選択をするためにある。外から見ると縦割りにえるのだろうか。市に入って見てみると、良いところはいっぱいある。みんなまじめで、一生懸命仕事をしていることに感激した。
  逆に皆さんに聞きたいが、どうしてこのような会が立ち上がったのか。

MS:自然発生的だった。

MM:ここにいる者同士も瀬上の活動を通して知り合った者がほとんどだ。

市長:Oさんはどうですか。

OT: 自分がこの運動に関わるようになったのは、いまある緑地は残すべきという単純な動機から。現在ある緑地を破壊しては他に何をしたとしても焼け石に水ではないか。林さんが言うように真面目で仕事熱心な市職員の方なら知恵を絞って緑地を残す方策を立てられるはず。 横浜市環境科学研究所の報告書24ページ「円海山源流域の自然環境の価値」として、横浜市の生物資源の多様性維持、自然とのふれあい拠点としてのエコロジカル・バンクとある。この価値を生かす道を探ってぜひ実現していただきたい。(平成18年度河川域生物生息環境調査―源流域水環境基礎調査 報告書(横浜市環境科学研究所)(27ページ) 及び記者発表資料(6ページ)をカラー印刷したもの、以前マスコミ用に作成した資料をお渡しした。)

MK:昨年元日の新聞に「みどり税 瀬上の保全に」という記事が掲載された。これで瀬上は守られると思った市民は多い。陳情の場ではないことは承知しているが、ぜひ戦略的にみどり税を使って、残してほしい(神奈川新聞コピーを差し上げた)。

市長:みどり税はきっちりと基金として積み立てて、調整したい。市民との協働プロジェクトなどにも使っている。NPOなどへの周知をがんばりたい。みどり税が大変な増税であることはわかっているので、本来の緑保全に使いたい。

TK:本郷台駅裏の山が、市は買い取りのお金がないということで崩され、マンションが建ってしまった。

YS:瀬上は市内の緑地では最大の面積。この開発を許してしまうと、ほかの市街化調整区域も開発されてしまう。

IT:ご存じかと思うが、葉山町では330ヘクタールの市街化調整区域を大和ハウスが開発の見込みなしとして町に寄付を申し出ている。市としても東急にCSRの観点から太っ腹に寄付をするよう働きかけていただきたい。

YS:葉山町に電話で聞いたが、管理費がかかるので、寄付を受けるかどうか、まだ決めていないようだ。

MK:これまでのように、市民はただ行政にお願いするのではなく、自分たち市民の力で里山をつくろうという気持ちも力もあると思う。鎌倉の広町緑地の例もある。

市長:本当にそう。Yさんは?

YM:主婦の立場から見た瀬上沢について話したい。多くの子供たちがあの谷戸で遊び育まれ、瀬上の池や横堰で遊びまわったふるさと。次世代のためのふるさととして、瀬上沢一帯をぜひ残してほしい。

市長:青葉区に住んでいるが、地元の「キヌヒカリ」はおいしかった。横浜は農業が盛んなことをご存知か。戸塚区では酪農も盛んだ。

MS:よく知っている。

YA:移り住んで40年になる。当時はきれいな田んぼだった。しかし減反政策や社会的な変化や東急建設による80%の買占めやらで今のような荒れた状態になり、今は子供一人では遊びに来れない状態になった。円海山は保全されていて、横浜市だけでなく、国にとっても良かった。瀬上地区の開発予定地は市街化調整区域なので、政策としてぜひ保全してもらいたい。上郷自然教室で市長とすれ違った。ぜひ瀬上にもおいで願いたい。「百聞は一見に如かず」です。皆でご案内します。

YS:市長は現場主義を言っているので、栄区に来たらぜひ瀬上へ。ご案内する。

IT:次世代への良好な環境の受け継ぎや、生物多様性の観点からも緑地の保全は重要であるが、行政は市民の生命と財産を守るという一義的な義務がある。昨今の100mm/hを超える雨が常態化した中、どこの自治体もこれに対応したインフラの整備は追い付いていないと思われるが、吸水力・保水力に富む緑地を少しでも削り開発を行えば、即水害被害の増大に繋がる。災害防止のうえからも、緑地保全は重要である。

市長:今、財政難が重くのしかかっている。私はダイエーの再生に関わったが、何千億もの債権放棄をお願いした。ローソンやリクルートなど、優良資産はみんな売ってしまい、苦しい経営だった。横浜は、子育て支援、高齢者、医療にお金がかかり、生活保護も増えている。港湾の荷役量は激減した。今、シンガポールなどに負けてしまっている。これは国家戦略の問題だが。APECを呼び込んだのは前市長だが、スマートシティPJで、みなとみらいをCO2削減のショーケースにしようと思っている。お金がなければ何もできない。APECで少し上向きになったので、中長期で考えたい。ともかく話し合いが大事だ。地方議会では対立しているところも多い。市議は人数では自民・民主・公明・無所属クラブの順だが、無所属の人も市民の代表だから、話はよく聞いている。プロセスが大事だ。市民の財産と命を守ることを考えていきたい。今日は、会の皆さんの緑を守りたいという気持ちはよくわかった。

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プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月、新たな動きが…?

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