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円海山エリアを「つながりの森」に? 「ヨコハマbプラン」策定で問われるもの

横浜市が生物多様性基本法に規定されている「生物多様性地域戦略」に該当する計画として位置づけている「ヨコハマbプラン(生物多様性横浜行動計画)」の素案に対するパブリックコメント(市民意見)を3月18日まで募集しています。

環境創造局企画課によればこの計画は、「重要な課題である生物多様性の保全について、将来像を明らかにし、今後の取り組むべき施策等を示し、市民・企業・行政がつながり行動するための計画」。

そもそもこの法律は与野党共同提案による議員立法として2008年(平成20年)5月に全会一致で可決・成立し、6月に公布・施行されたもので、横浜市の取り組みもまだ始まったばかりです。

署名の会は瀬上沢緑地の全面保全を求めるに当たって、円海山に連なる生物多様性の宝庫としての位置づけを明らかにし、買い取りを含む抜本的な保全策・打開策を講ずるよう求めてきましたが、先月18日に行われた企画課へのヒアリングの場ではまだ素案の骨子すら明らかにされず、27日の環境創造審議会における審議を経てようやく2月17日に公表されたものです。

注目されるのは、市の素案が6つの重点推進施策の一つとして「つながりの森」を挙げ、円海山の周辺(約289.3ha)エリアを取り組み対象とする概略図を載せていること。そしてこの赤い点線の範囲内には瀬上沢が含まれています。

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しかし概略図に「具体的な範囲については今後検討していきます」と付されているほか、素案の序章で「環境行政の転換」を掲げながらも、上郷開発計画をめぐる追及の中で明らかになった「民有地の壁」については一歩踏み込んだ取り組みについて全く触れていません。

9万2000余の市民の署名が示した環境保全への熱い想い。
長引く不況の中にもかかわらず「みどり税」という新しい課税を受け入れた市民の良識ある判断と期待。
「みどり税」が瀬上の緑地保全と無縁・無力の存在であるとしたら、市民の期待を裏切ると言っても過言ではありません。みどりアップ計画の進捗状況と併せて厳しいチェックが必至のようです。

追記 2月3日に発表された「環境に関する市民意識調査結果」を見ても、「生物多様性の保全」関連の施策について「十分実施している 」「 やや実施している」と答えた人の割合は10.9%にすぎず、また「郊外部のまとまった緑の保全」施策についての評価も同じく27%と低く、環境創造局の自然環境保全に対する本気度が問われています。

■資料:素案から抜粋

④ つながりの森
~生物多様性の宝庫 そして次代を担う子供たちの体験フィールドを市民全体で守り・育てる~
 対象エリア
(1)円海山の周辺(約289.3ha)
・横浜自然観察の森、金沢自然公園(金沢動物園)、瀬上市民の森、氷取沢市民の森、釜利谷市民の森、金沢市民の森、能見堂緑地等を対象とし、つながりの森の中心的地区です。
・連続した緑地としては市内最大であり、神奈川県東部で最も大きな多摩丘陵から三浦半島の先まで続く緑地の一角を形成しています。
・大岡川、いたち川、宮川の水源となっており、それぞれ横浜港の内港地区(みなとみらい21 地区)、相模湾(江ノ島・片瀬海岸)、平潟湾に注いでいます。

編集部注:ヨコハマbプランとは。「bは生物多様性biodiversityの頭文字のbです。私たちの暮らしを支える大事なキーワードとして、また「個性を大事に、それぞれのペースで」「ゆっくり、あせらず。でも夢は大きく!」といった横浜的スローライフの言葉として活用します。」とあります。

■パブリックコメントの募集要項

1 募集期間 平成23年2月17日(木)から平成23年3月18日(金)まで  
        *郵送の場合は、当日消印有効
2 意見の提出方法
  氏名と住所を明記して、次のいずれかの方法で。  
  ファクシミリ、電子メールの場合は、素案へのご意見である旨を明記してください。
  郵送:下記の問い合わせ先へ
  ファクシミリ:045-641-3490    
  電子メール:ks-tayou@city.yokohama.jp    
  直接持参:下記の問い合わせ先へ
3 資料の入手方法
 リーフレット(意見募集用紙):区役所、市民情報センター、環境創造局企画課で配布するほか、市のページからダウンロードできる。 素案:区役所、市民情報センター、環境創造局企画課で閲覧できるほか、市のページからダウンロードできる。4 策定スケジュール 平成23年4月に策定・公表の予定。
5 問い合わせ先 横浜市環境創造局 企画部企画課 電話:045-671-2484  

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プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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