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検証:次世代郊外まちづくり 序(続)

見えない電力の未来像 横浜の実証実験は節電が軸?

横浜市は「次世代郊外まちづくり」の取り組みを、「環境未来都市」計画の主要なプロジェクトとして位置づけているのですが、そのベースとなるスマートコミュニティ実証実験は3・11以降のエネルギー・シフトをふまえたものではなく、既成の電力網の下での消費の抑制(節電)が軸のようです。

しかも9都県市首脳会議の名で「自立・分散型エネルギー環境の構築」についての申し入れ書を経済産業省に提出済みですが、これまで実証実験をリードしてきた同省が政権交代によってどういう形で軌道修正を図るかは目下不明で、以下の取り組みについても今後注視していく必要があります。
http://jscp.nepc.or.jp/article/jscp/20120817/319944/
http://www.city.yokohama.lg.jp/ondan/press/h24/121211/121211press.pdf

横浜市における最新の取り組み

2012/12/26  既存の大型商業施設をBEMSで“スマート”に
既存の大型商業施設をスマート化する取り組みが「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」で始まっている。大型商業施設「横浜ワールドポーターズ」で明電舎が開発・実証を進めるスマートBEMSが、それだ。施設が所有するエネルギー設備の稼働や系統からの買電、蓄電池システムの充放電などを統合的に制御し、空調や照明などに必要なエネルギーに係わるコストを最小化する。

2012/11/27  EVや急速充電器を地域のエネルギー・マネジメントに活用
スマートコミュニティにおいて、太陽光発電を大量導入し、電力の地産地消を進めると同時に地域における電力需給を最適にするための試みが進んでいる。そこで重要な役割を果たすのが、電気自動車(EV)や急速充電器とともに搭載される蓄電池だ。「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」では、日産自動車がEVの駆動用蓄電池を使って家庭に電力を供給するV2H(ビークル・ツー・ホーム)を、JX日鉱日石エネルギーとNECが複数の急速充電器と大容量蓄電池を組み合わせたEV充電システムを、それぞれ実証している。

2012/11/06  住民の快適性を損なわない自動節電策を実証へ
横浜市港北区に2012年9月下旬に竣工した「パークホームズ大倉山」では、次世代型の節電策が運用されている。CEMS(地域エネルギー・マネジメント・システム)からの節電要請があると、エアコンの温度設定やヒートポンプ給湯機の稼働時間を同マンション内のEMS(エネルギー・マネジメント・システム)が自動的に変更する。住民の快適性を損なうことなく節電を実現する試みとして世界の注目を集めている。

2012/10/02  集合住宅で使う電気と熱をHEMSで最適管理
複数世帯が集う集合住宅では、各世帯のエネルギー利用を最適化するのはもとより、それぞれの利用状況を調整できれば、集合住宅全体としてエネルギーの利用効率を高められる。「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」では、東京ガスとJX日鉱日石エネルギーの社宅を舞台に、集合住宅向けスマートハウスHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の実証が始まっている。いずれも、戸建て住宅用に量産されている家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(熱電併給システム)「エネファーム」を導入し、複数世帯で共有する。

2012/09/05  市内全域でHEMS実証に市民の参加を呼びかけ
横浜市が取り組むスマートシティの実証プロジェクトは、参加する住宅やEV、太陽光発電システムの数などで世界的にも大きな規模を誇る。一般家庭のほか、マンションやビル/商業施設、工場、電気自動車(EV)充電などを一元管理するCEMS(地域エネルギー・マネジメント・システム)を構築する。

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どうした横浜?

北九州の取り組みを見てからわれらが横浜をみると、400万人近い人口を擁する北欧一国並みの地方政府でありながら、いかにも中央政府の官僚が敷いたレールの枠内での取り組みでいやになる。東京の猪瀬は小泉に重宝され、石原にへつらい? 他方では一般職員には上から目線でものを言ったそうで余り好きになれないが、それでも「東京から日本を変える」というココロザシは買う。スマートコミュニティなるものについて、「横浜から日本を変える」ぐらいの気持ちで取り組んでもらいたいものだ。

ハコモノつくりの言い訳

折しもの人からハコモノへの回帰を見込んでいたかどうかは別に、予てより仕込んできた横浜市の「環境未来都市構想」も北九州のそれと比べると、いろいろと違いがあるようですね。

生物多様性やエコツーリズムを抱合せにした環境未来都市構想という耳当たりのよい言葉を、緑地を削っての開発の免罪符に使われては堪りません。

環境未来という謳い文句で、少しでも省エネ・省環境負荷を図るのなら、市街化区域における再開発などの際に、この構想を取り入れていくのが本筋であろう。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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