fc2ブログ

「八ッ場ダム問題」再考のために

10月2日(金)、国土交通省関東地方整備局がダム本体工事の入札中止を正式に発表した八ッ場ダム問題。
谷垣自民党総裁が現地を視察したその日の出来事とあって、ますます推進&中止両派両論の対立が過熱し、今日明日は鞆の浦問題と併せ洪水のように報道番組があふれ出ると思います。
でも長年開発優先の流れが続いてきたこともあって、問題の本質がどこにあるのかを考えようとするとき、ダム建設の中止を求める意見・立場がどういうものなのか、意外と情報が少ないことに気がつきます。
開発と環境――あらためて「国家百年の大計」(古い言い回しですが)を再考する観点から、「八ッ場ダムのあしたを考える会」のウエブサイトhttp://www.yamba-net.org/をご紹介します。
このサイトには仏語版&英語版があり、最新のアクセスカウンターは1日に1万を越えています。彼我のサイトの差、驚くべき数字ですね。

というわけで、以下その冒頭の「見出し」から。
テレビのバラエティふうな特別番組を見る前に必見のような気がします。 

八ッ場ダム事業について、関係各都県の知事や国土交通省から主に次のような情報が流されていますが、いずれも事実に基づくものではありません。
 I. 八ッ場ダム事業は継続したよりも中止した方が高くつく。
 II. 八ッ場ダムはすでに7割もできているので、今さらストップできない。
 III. 八ッ場ダムの暫定水利権がダム中止に伴って失われる。
 IV. 大渇水到来のために八ッ場ダムが必要。
 V. 八ッ場ダムは利根川の治水対策として重要。

さらに、八ッ場ダムの中止に対して地元の町とダム予定地から強い反発が出されていますので、そのことを踏まえて考慮すべき事実と今後取り組むべきことを
 Ⅵ ダム予定地の生活再建と地域の再生について
として整理しました。

注:これが書かれたのは政権交代以前のようです。 M&M

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

八ッ場ダム 新聞に書かれていないこと

八ッ場ダムについては、住民感情・中止と継続のコスト比較・治水・利水については新聞によく書かれています。
地滑りの懸念については、あまり書かれていません。
先日、一都五県の知事がダムサイトを視察した時のテレビのニュースで、国交省の職員が地盤強度の質問に答えて、ハンマーで叩くと火花が出るぐらい堅固であると説明し、知事たちも納得していました。そんな場所もあるでしょうが、ダムサイト全体の地盤が、さも堅固であるような答え方で大臣の意向に反する態度でした。
また、利水については、ダムに流れ込む水が強い酸性で、毎日50トンを超す石灰を投入し中和しなければならないことは書かれていません。
群馬県議会の議事録から、これに触れたやり取りが削除されたと
いう報告もあります。更に、この中和するために投入した石灰を沈殿させる目的で造られた品木ダムの浚渫・沈殿物の廃棄を含めた維持コストが年間10億円かかること、沈殿物には猛毒のヒ素が含まれているとのことです。
社団法人地下水技術協会'06年発行の「地下水技術」12号に上智大の木川田喜一教授が、このヒ素について発表しています。この機関誌を取り寄せ確認しようと考えています。
10月26日の朝日の朝刊に「一からわかる八ッ場ダム計画」という特集記事がありましたが、地滑りの危険性・水質・ヒ素・議事録のことはどこにも触れられていませんでした。
水質については農業用や工業用の水としても問題ありですが、渇水時には飲料水となる水であり、決定的な要素です。
一番知りたい重要なポイントなので朝日になぜ報道しないのかクレイムしましたが、裏が取れないことは、テレビと違い活字に残るので慎重に報道しているとのことでした。


八ツ場ダムへの疑念

T.Iさんの投稿を読んで、ぼくもまた知人から教えられてスクラップしておいた記事を参考資料として再録することにします。
いかにもイエローペーパー的なセンセーショナルな記事ですが、この高杉氏はかつて731部隊のドキュメントを著わしたこともある硬派ジャーナリストなので、ヒ素疑惑は疑いのない事実なのでしょう、きっと。もっとも、ゲンダイの記事そのものは未入手で、これは抄録かも。

八ツ場ダム 上流に高濃度ヒ素疑惑
2009年10月20日(火)10時0分配信 日刊ゲンダイ

●まずは調査と情報公開を
 19日、1都5県の知事が揃って、八ツ場ダム建設予定地を視察する。建設中止を表明した前原国交相に対し、知事らは、「県民の水道水として絶対に必要」とアピールする狙いだ。だが、八ツ場ダムの水がそもそも“飲料水”として適当なのか。疑問の声が出ているのだ。
 八ツ場ダムが造られる吾妻川は、かつて「死の川」と呼ばれていた。上流の硫黄分によって水質が強い酸性に変わってしまうからだ。もともと、ダム建設には適さない川なのに、旧建設省は、川に大量の石灰を流し込み、中和させることで、ダム建設を強行した。
 そのためのコストは莫大(ばくだい)だ。中和のための工場に加えて、中和によって生成されたヘドロをためる「品木ダム」、さらに、そのヘドロを脱水・圧縮して埋める処分場が造られた。現在、ヘドロは処分場に高く積み上げられている。ところが、この「品木ダム」の上流には万代鉱という閉山した硫黄鉱山があり、ここから高濃度のヒ素が排出されているというのだ。八ツ場ダム問題を長年取材しているジャーナリスト・高杉晋吾氏は、こう警鐘を鳴らす。
「万代鉱は温泉源で年間50トンのヒ素が排出されています。ここ10年間だけでも500トンのヒ素が中和生成物(ヘドロ)に蓄積されている。致死量にして25億人分です。これは木川田喜一博士(上智大学理工学部)が1960年代から調査し、06年に『地下水技術』で発表しました」
 ヒ素は自然界に存在するもので、温泉水に含まれるのは普通だ。入浴する分には問題もない。しかし、飲料水としてはどうなのか。
 八ツ場ダムの水質については、今月開かれた群馬県議会でも論争になったが、「不安をあおるようなことを言うのはおかしい」などとして、議事録から削除された。安全であるならば、きちんと議論し、公表すればいい。
 八ツ場ダム問題を注視している前衆議院議員の保坂展人氏はこう言う。
「ヘドロは脱水して圧縮されているので、ヒ素が濃縮されている危険性がある。きちんとした数値を調査するべきです」
 利水の必要性を叫ぶ前に、きちんと水質の調査をして欲しいものだ。(日刊ゲンダイ 2009年10月17日掲載)

八ッ場ダム報道、その後

Ⅰ 八ッ場ダム報道
  遅れ馳せながら、朝日新聞は11月13日「八ッ場水質 公表せず」と題し、国交省が少なくとも93年以降、吾妻川とその支流で環境基準を超えるヒ素を毎年検出しながら、調査結果を公表していなかったことを報じ、翌14日には「上流ダム維持 年10億円」と題し、支流の強酸性の川水の中和事業の経緯と八ッ場ダム建設の係わり、品木ダムも含めた中和事業にかかる維持費用を記載しています。
  下流域の知事が渇水期の飲み水確保として、八ッ場ダムの必要性を声高に主張していました。
  朝日は当記事を「利根川は首都圏の水がめだ。そこに流れ込む吾妻川の水質問題は、八ッ場ダムが建設されても、建設されなくても、首都圏の飲み水に直結する問題だ。」と絞め括っています。

Ⅱ 素人考えながら次のような問題があると思います。
 1.ダムが無い時は、強酸性の水やヒ素は自然に流れ下るうちに希釈され利根川の取水地点では飲み水として利用してきた。
 2.渇水期の飲み水確保という観点からは、ダムを建設すると、ダムに溜まった酸性水やヒ素(渇水期なので濃度は高くなっている)が放流され、これまた水の少なくなった利根川に流れ込むので、希釈が十分なされないのではないか。むしろダムを建設することにより起きてくる問題ではないか。
 3.八ッ場ダム建設ありきで造った品木ダムにヒ素を含む汚泥が溜まり、その廃棄場所の確保や地下水汚染の問題が生じている。

Ⅲ 木川田教授の論文を取り寄せました。要旨は次の通り。
 1.ヒ素は経皮吸収されないので、飲まない限り温泉としての利用に問題はない。
 2.最大のヒ素供給源である万代鉱源泉の02~04年の平均ヒ素排出量は年間49トンである。(紙面では、どう言う訳か同教授の話として40トン以上となっている)
 3.ヒ素は中和処理により生じる鉄水酸化物に吸着され、懸濁物として品木ダムに堆積する。堆積したヒ素をどのように処理するかという問題が別に生じるが、少なくとも温泉起源のヒ素の影響は下流へは及ばない。(紙面では、ヒ素は品木ダムや河床に沈殿するため、ヒ素濃度は低くなっていると記述されている)

Ⅳ 週刊現代の記事について
  同教授が論文であたかも「ここ10年間だけでも500トンのヒ素が中和生成物に蓄積されている。致死量にして25億人分・・・」と述べているように書いていますが、その事実は無いようです。
  むしろ、ヒ素の毒性は、その形態や溶存している化学種により大きく異なるとしています。

Ⅴ その他
 ・国交省の品木ダムに関するHPでは、中和事業の有用性を盛んにアピールしています。下記のサイトの「PHと中和を学ぶ」から「自然の中の酸・アルカリ」を見ると、五寸釘やコンクリートが強酸性の川水に溶けていく過程が示されており強烈です。
  www.ktr.mlit.go.jp/sinaki/
 ・不都合な真実を公表しないばかりか、都合のよい数値に改竄はお手のものの役所が出すヒ素濃度の数値をどこまで信用したらよいのか、新しくできた消費者庁に頑張って頂きたいものです。
 ・朝日新聞はダムサイトの地層・地盤について、また、品木ダムに溜まったヒ素を含む汚泥の処理問題には触れていません。
 注 18日の13:59にあった投稿に行の乱れがあったため修正しました。(管理人) 
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

瀬上沢だよりの掲示板へのリンク
カレンダー
11 | 2021/12 | 01
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
過去の記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
カウンター(from 2009/9/19)