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上郷開発NO!  アセス審査に向けて

なぜ除外?「地盤沈下」抜きの開発案  問われる横浜市の責任!

東急建設が都市計画提案した「(仮称)上郷開発事業」に関する「修正届」についての環境影響評価(アセス)がこの2月から横浜市環境影響評価審査会(佐土原聡会長=横浜国大大学院教授)において審議されていますが、論議の中心は東急建設が評価項目から故意に除外した「地盤沈下」「地下水」問題に集中しています。

一方「署名の会」及び「上郷・瀬上の自然を守る会」は、独自に入手した資料と情報公開請求で入手した資料をもとに、舞岡上郷線担当の道路局建設課、アセスの事務局である環境創造局環境影響審査課と数次にわたって面談を重ね、技術的な議論を交換してきましたが、「地盤沈下」は現実のものであり、評価項目から除外しているのは不当であるとの立場から、今後も開発問題の中心課題の一つとして地盤沈下問題を追及していきます。
ここではプロジェクトチームによる最新の検討・分析をふまえ、いくつかの論点を紹介します。(編集部)

東急が評価項目から除外する理由
東急建設が「地盤沈下、地下水」を評価項目から除外する理由として、「地盤沈下」については、地下水の低下を招くような地下水の揚水、排除、遮断は行わないため除外、「地下水」については、地下水位及び湧水の流量に影響を与えるような揚水、排除、遮断はないため評価項目から除外した、というもの。

舞上線では地盤改良が行われた
入手した舞上線工事資料によると、平成2年に行われた舞上線盛土建設ではジオドレーン工法によって地盤改良工事を行った後、14mの盛土造成を行っていた事実があった。
また情報公開で得られた舞上線K1近傍のボーリングデータ(ボーリング柱状図/平成24年末実施)や東急建設実施のボーリングNo.6、No.7によると、舞上線K1付近では軟弱層は4、5m存在している。K1近傍のボーリング柱状図から、14mの盛土により舞上線には建設当初から1m前後の沈下が読み取れた。

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老朽化の危険性が指摘されたK1橋(工事前)。地盤沈下問題で再び脚光?

深田地区は地盤改良工が必要
東急建設は今回の開発予定区域である深田地区でも同様に14mの盛土造成を計画しており、舞上線同様何らかの地盤改良が必要であることも判明した。つまり何らかの地盤改良工事を行い、軟弱地盤内の間隙水を強制排除し、地盤を沈下させ、軟弱層の強度増加を計測しながら盛土造成を行う必要が発生し、地下水の揚水、排除、遮断が行われざるを得ない。評価項目からの除外は東急建設の故意のネグレクトとしか言いようがない。

補足盛土問題が発生する
東急建設の資料では、造成工事における盛土の対象面積7万㎡、盛土のために外部から搬入する土量が22万㎥と言っているが、現地盤表層の軟弱地盤の平均的な沈下を0.5mと想定すると、計画地盤高に造成するためには、地盤沈下量を補う土量として3.5万㎥(15%)の追加土量が必要になる。当然のことながら、沈下量が更に大きくなれば追加土量も増大する。

審査会委員が注目する「外された項目」
東急建設は「事業計画が認可されたら、詳細な検討を行っていく」としているが、地盤沈下は現時点でも予想される事象であり、環境影響評価時点で評価すべき事項である。土工量が15%も増えれば、土工のための重機計画も見直す必要も出てくる。この点に関して「アセス審査会も液状化や大規模盛土の安定に関わる問題を取り上げつつある。審査会の議論の成り行きを見ていきたい」という審査会事務局(環境影響評価課)立場であった。

どうなる地下水の排水
地下水が盛土中に滞留しないようにするための地下水排水工について、「軟弱地盤の直上に排水管を敷設する」というが、盛土によって沈下する軟弱地盤上にどうやったらうまく敷設できるのか。
――この疑問に対して「沈下を計算で予測しあらかじめ軟弱地盤上に敷設することは可能。東急は、地盤沈下量の評価をできるような土質定数も調査すべきだ」と市の担当者(中島課長補佐)も指摘する。
しかし、場所によって軟弱地盤の厚さが異なることから不当沈下が生じること、中央最下端の本管に魚の骨上に接続する多数の枝管を考えると、実際的には極めて難しい工事、将来的に機能するかどうかも疑問だ。

偏った土圧による舞上線の安全性低下
東急建設の資料にある舞上線を横断する大規模盛土(盛土高さ14mに及ぶAA’断面)によって、舞上線の道路盛土に恒常的に偏土圧がかかるので、公共財産である舞上線の“水平安定性”が低下する。どの程度偏圧がかかるのか当然事前調査の対象になるべきであるが、東急はこの点を明らかにしていない。


応急的に補修工事が行なわれたK1橋だが…

地盤沈下に民事責任と行政責任が発生
仮に目先の利益優先で開発許可されたとしても、大規模盛土の地すべりや液状化に対する防災対策のためには10年、20年のスパンで地盤変状や地下水位のモニタリングを行っていく必要があり、災害が発生した場合、開発事業者に民事責任が発生するという見解について「東急は開発する以上そういう覚悟はあると思う」(審査課)。つまり欠陥商品の可能性を認めている。その際、ゴーサインを出した行政上の責任も発生する。


■お知らせ
環境影響評価審査会の次回会議は5月27日(火)10時~、関内中央ビル10階大会議室の予定。傍聴者の定員は25名です。東急建設と審査委員の応酬、ナマでウオッチしてみませんか?

続報 造成工事前の舞岡上郷線?  5/16 11:50AM
市の市史資料室(総務局)所蔵の「写真で見る昭和の横浜」の中に舞岡上郷線工事直前と思われる写真が記録されているのを発見。「宅地造成、住宅建設(港南台) 1973年7月」とある2枚です。

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周辺の情景から判断すると、翌74年(昭和49)9月に港南台地区初めての大型分譲団地として入居が始まったUR(旧住宅公団)「めじろ団地」を現在の舞岡上郷線の港南台5丁目交差点近くから写したもの? 環状3号線はまだ未整備で、この工事のあと整備された舞岡上郷線は現在の港南台5丁目交差点が終点だった。

今回の開発事業計画の造成予定地(深田)は、この地点から逆方向、環状4号線に向かって大きく下降する丘陵地を切り盛りして造られた地盤の上に敷設された。

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上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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