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上郷開発NO! アセス審査会レポート

盛土造成「問題ナシ」?  アセス審、市民の危険性指摘にどう答える?

「六日の菖蒲」とは、タイミングを失して役に立たないことのたとえ。月こそ異なれ、今日はもう6月5日。アヤメは既に盛りを過ぎ、このところの暑さで夾竹桃はじめ夏の花が咲き出しているのですが、遅ればせながら5月27日(火)に開かれた市の環境影響評価審査会(アセス審)のレポートを。

東急建設による1月17日の「都市計画提案」提出を受け、横浜市環境影響評価審査会(佐土原聡会長)は2月18日の平成25年度第7回審査会以降、上郷開発事業に関する環境影響評価の「修正届」に基づく審査を急ピッチで行ってきましたが、5回目となる5月27日の平成26年度第2回審査会では、東日本大震災がらみでこの間の審議で幾人もの委員から指摘されてきた大規模な盛土造成が環境に及ぼす影響についてほぼ終息?と思わせる発言のとりまとめが行われ、17日(火)午前に予定されている次回審査会での取り扱いが注目されます。

27日午前10時開催の審査会の議題は2つ。
初めに磯子駅東側、首都高速湾岸線沿いの工場地帯に建設予定のコンクリート廃材等のリサイクルセンター(約1000トン/日)について、計画段階配慮書の事業者側説明と質疑が1時間にわたり行われ、上郷開発問題の審査に入ったのは11時。

東急建設が補足資料として新たに提出した①オオタカの事後調査について②盛土造成について③交通量調査及び予測・評価、の3点について駆け足の質疑応答が行われ、「5回の審議でだいぶまとまってきた。交通問題以外はおおむね終了……」という趣旨のとりまとめ発言があり45分で閉会となりました。

東急建設による上郷開発事業の主たる宅地造成予定地である深田地区の問題点については私たちが早くから指摘、審査会でも盛土造成による液状化や地盤沈下などの危険性をめぐり様々な質疑が行われてきましたが、この日は市の担当係員が欠席の菊本統委員の書面による「見解」を読み上げ、他の委員から異論は出ず、出席していた東急建設の今井プロジェクトチームリーダーほか全5名のスタッフが思わずニンマリ(?)する場面も見られました。

菊本委員の見解の要点は次の通り。
・(東日本大震災で)液状化被害のあったところは仙台でも古い造成地で、最新の工法でやったところは被害は出ていない。
・今回の事業予定地では崩落の可能性はない。盛土計画に問題はない。
・段階的に工事が施工されるので状況は変わる。
・地盤沈下については問題がない。
・排水管を敷設するので地下水位も問題となることはない。

舞岡上郷線西側、深田地区における最高14メートルにも及ぶ盛土による大規模な宅地造成工事について、環境アセスの一要素である土木工学上は「問題ナシ」という審査結果を予測させる見解です。

地盤災害は土地の歴史と密接な関係(菊本)
しかしながら、そもそも市街化調整区域の緑地として維持されてきた深田地区を市街化区域に編入し、大規模造成を行うことによって新たに住宅や医療施設・商業施設をつくることの合理性や安全性について全く「問題ナシ」ではないことは明白です。

菊本委員は横浜国立大学の都市イノベーション研究院准教授なのですが、そのHPを開くと、大学と読売新聞の共催による公開講座「横浜の地盤災害と防災」における講演(2013年11月)の概要が紹介されています。そこにはこう記されています。

土地には歴史や背景があります。
地盤災害はその土地の“背景”に大きく関わります。
まずは横浜のこれまでの移り変わりを確認しましょう。  ……

地盤災害から身を守るための4ケ条
(1)どんな土地か調べましょう
(2)引っ越しましょう
(3)災害に強い家に変えましょう
(4)とにかく逃げましょう

(地の利の悪い)危険な土地は引っ越しましょう。(完璧な対策)
大災害の後「ここは住まない」と決めても、徐々に人が集まる。
そして天災は忘れた頃に…

https://docs.google.com/file/d/0B-OH0lM_Q0oEUzhRbUdkd1JtRnc/edit?pli=1

また菊本准教授のHPのトップにはこうあります。
2014年6月
既往の地盤工学や土質力学の限界を克服する新たな課題に挑戦します。


たしかに最新の知見や土木工学の最新技術によれば、危険な土地の地盤改良や災害に強い「強靭なまちづくり」をめざすことは可能かもしれません。しかし、人口減社会においてそうした挑戦はまず既成市街地の危険箇所において実践すべきではないでしょうか……?

液状化災害の地理的特徴(小荒井) 
他方、液状化と地理的な特質との関係については、別の専門家による次のようなレポートも見つかりました。

国土交通省 国土地理院 
地理地殻活動研究センター 地理情報解析研究室長 小荒井衛

液状化被害地域の地理的特徴のまとめ
・東日本大震災で液状化被害の大きかった箇所は、埋立地、干拓地、旧河道など、昔の水部を埋めた場所であった。
・災害に備えるためには、自分の住んでいる土地が災害に対して弱いのかどうかをきちんと知ることが重要である。(例えば、液状化しやすい土地なのか、しにくい土地なのかなど)
・液状化しやすい土地かどうかは、その土地の成り立ちを知れば、概ね把握することができる。
→土地の成り立ちを知るには
・古い地図や空中写真(時系列地理情報)や、地形分類情報が極めて重要である。
・これらの土地の成り立ちを知る地理空間情報は、国土地理院のHP等で容易にアクセスでき、閲覧が可能である。

なお詳しくは小荒井さんのレポートほかを直接ご覧ください。
http://www.gsi.go.jp/common/000071150.pdf
http://www.gsi.go.jp/common/000062382.pdf


■お知らせ=2014瀬上のホタル観賞の手引き

都合によりホタル観賞に関する情報は本ブログの「掲示板」および5月25日付け記事の「コメント」欄に掲載しています。左側の該当文字をクリックし、お読みください。(M&M)

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おかしいぞアセス審査!

液状化や地滑りなんて起こらない、盛土による造成工事は問題ナシとアセスの委員が東急の開発計画にお墨付きを与えるようだけれど、それはおかしい。
この計画が認められ新しい「町」が出来たとして、近い将来の大規模地震で万が一被害が出た場合、誰が責任を取り、インフラの復旧工事などが必要になった場合、どこがその費用を負担するのか? もともと深田という地名が残っているように、低湿地帯だった土地柄だからこそ市街化調整区域に指定されてきた場所を、強引に市街化区域に変えて開発を認めるようなことは市として認めるべきではないよね! 

豪雨禍の記憶

今日の当地(栄区)の天気は今のところ曇りで、大雨による被害の恐れはなくなったようです。でも、この先傘マークがついているので、注意がカンジン。午後4時から予定されている守る会&署名の会による港南台駅頭の街宣活動もどうなることやら?(雨天中止)

さてブログは過去の記事を閲覧するのに手間がかかるので(スミマセン、なかなかHPへの移行ができず)、昨年10月のゲリラ豪雨を報じた記事のエッセンスを。
昨日の「いたち川」の城山橋観測点の最大水位は7日午前1時で178センチと、黄色信号から赤信号に変わる240センチまで余裕?があったのですが、この先どうなることやら?(「降雨中止」と雨雲に指示できればいいのだけれど)

2013年10月:台風26号による被害レポート

東日本の広い範囲で大雨をもたらした台風27号。
26日午前には伊豆諸島に接近し、26号台風による土石流で甚大な被害をこうむった大島町では全島避難勧告が出され、一時は約800名の島民が島外に避難、27日になってようやく帰島が始まるなど、今年の異常気象には「備えあれど憂いあり」。

ところで27号による直撃は避けられましたが、横浜でも26号は大雨をもたらし、16日(水)の早朝にはいたち川の水位が刻々と上昇、一時は観測地点である城山橋(柏陽高校の裏手)で262cmと天端まで38cmに迫り、区や栄消防署などに緊張が走ったようです。
 4:00 218cm 氾濫注意水位以上
 4:30 247cm 氾濫注意水位以上
 5:00 262cm 避難判断水位以上
 5:30 215cm 避難判断水位以上
 6:00 193cm 避難判断水位以上 
http://mizubousaiyokohama.jp/suii_point.cgi?point_code=546611

アセス審査会断想 談合体質を糺す

公開が原則の環境影響評価審査会。
なぜ公開が原則なのか。審議が市民に公開されることにより民主主義が担保されるためである。ところが5月の審査会では地盤工学専門の菊本委員は欠席し、環境影響評価課の佐藤課長が同委員の見解を代読し、深田地区の地盤沈下は大きな問題がないとして幕引きを図ろうとした。課長は大学の研究室に東急提出資料を持参して説明してきたという。何を話し合ったのか。地盤沈下問題は上郷開発問題では最も重要な項目であるにもかかわらず、東急建設が逃げまわっていた課題。審査会ではこれから本格的議論が開始される大切なタイミングであったが、それがあっさり外された。
役人が操作する典型的な密室での話合い。これでは審議が市民に公開されるという本来の制度的な意味がまったく見失われてしまうのである。アセス課も菊本委員も公開の意味について何も考えていないことがよくわかる。
審査会はいつも定足数ぎりぎりで成立し、いつぞやは成立するまで傍聴者は40分余り待たされた。陳謝の一言もなし。公開の意味を忘れた一部委員の談合体質と環境行政すら業者寄りとなるどうしようもない横浜市政の体質を糺すため是非傍聴に出かけたい。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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