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自然災害との向き合い方 1:土砂災害

刻々と「避難準備情報」を発信 横浜市危機管理室、台風19号への備えは?

台風19号の影響で風雨が強まる中、テレビ各局は終日台風関連の情報を伝えているのですが、今回気がつくのは横浜における防災情報が刻々とテロップで流れてくること。

これは今月6日に首都圏を襲った台風18号による崖崩れ・土砂崩れで中区と緑区で2人の死者が出たことを受けての「危機管理」対応の表われ。

JR桜木町駅から10分足らず、野毛の住宅街の一角にある成田山横浜別院の崖崩れ現場は土砂災害警戒区域と急傾斜地崩壊危険区域、また緑区で起きた土砂崩れ現場もJR鴨居駅から約2キロの住宅街のはずれにあり土砂災害計画区域に指定されていたのですが、いずれも市は避難勧告を出していなかったのですね。

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 神奈川新聞 10月7日付け社会面

しかも緑区の場合、市内の業者が許可を得ずに盛土し宅地造成等規制法違反で2010年3月に建築局違反対策課が是正指導しながら、結果的に是正(改善)措置がとられないまま放置されてきたことが災害につながったと見られています。

被害の実情が明らかになるにつれ、「もし避難勧告が出されていたら」……と指摘する声が高まり、横浜市は19号の接近前の10日、土砂災害の危険性が高いため大雨に際し従来より早く避難勧告を出す203カ所の崖地を発表、HPで公開しました。

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 朝日新聞 10月11日付け横浜版

その内訳を見ると金沢区の59カ所に次ぎわが栄区41カ所など市内全域17区に広がり、ないのは瀬谷区だけ。
あらためて丘陵地帯を縫うように宅地開発が行なわれ市域が拡大してきた横浜における自然災害との共生の有り方が問われるものとなっています。

というわけで、参考までに13日夜に横浜市の危機管理室が発した「避難準備情報」を時系列で紹介します。

現在、下記地域に避難準備情報が出ています。(13日20時30分現在)

■20時30分追加
 【磯子区】
 (土砂崩れの危険が予想されるため)
 岡村六丁目6番3号

 <避難場所>
  泉谷自治会館

 (土砂崩れの危険が予想されるため)
 杉田三丁目27番14号、16号、17号、34号、36号、46号

 <避難場所>
  杉田町西部町内会館

 (土砂崩れの危険が予想されるため)
 杉田二丁目8番14号

 <避難場所>
  杉田町西部町内会館

■19時30分追加

 【神奈川区】
 (降雨予測等により土砂災害の危険が予測されるため)
 鳥越1-2、同1-5、同1-6、同1-7、同1-8

 <避難場所>
  孝道山本仏殿(鳥越38)

 (降雨予測等により土砂災害の危険が予測されるため)
 菅田町603

 <避難場所>
  横浜市動物愛護センター(菅田町75-1)

■継続
 
 【旭区】
 (帷子川の増水、降雨予測等により浸水の危険が予想されるため)
 川井本町1~83番地、100~111番地
 上川井町1~5番地、128・129番地

 <避難場所>
  川井地域ケアプラザ(川井本町57-8)

 (土砂流出による危険が予想されるため)
 南希望が丘53番地(一部)、54番地(一部)
 善部町16番地(16-1を除く)、136番地

 <避難場所>
  南希望が丘地域ケアプラザ(南希望が丘72-3)
  四季の森小学校(上白根町901)
  善部小学校(善部町4-1)

 【瀬谷区】
 (河川の増水、降雨予測等により浸水の発生危険が予想されるため)
 上瀬谷町、中屋敷1丁目、本郷1丁目、本郷3丁目、瀬谷6丁目、北新、橋戸3丁目、下瀬谷3丁目

 <避難場所>
  市立上瀬谷小学校
  瀬谷中学校
  瀬谷第二小学校

  上記の対象地区の方は、近くの避難所など、安全な場所へ避難する準備を開始してください。


続報
遅ればせながらとはいえ、大型の台風19号の接近に際して危機管理室がとった対応は市民の注目するところとなり、HPはアクセス不能になったようです。

18号台風では危険性を予測しながら「避難勧告」を出さなかったことにより市の責任が問われたのですが、今度は危険箇所の公表と事前の「避難勧告」により一定の責任を果たしたと評価する半面、どう市民が対応したか、そして市はどう避難誘導に対応したか、さらに危険箇所を今後どう改善して行くか、つまり「減災」に向けた取り組みが問われることになります。
今後の対応を検証する資料として、台風一過間近い?14日午前1時過ぎ、危機管理室の掲示文を引用します。

資料=がけ崩れ被害の想定箇所について

横浜市では大規模な土石流が発生する可能性は低いものの、台風や豪雨等によって局地的ながけ崩れ等が予想されます。
今回、台風や豪雨によってがけ崩れが生じる危険性が高い市内の地区約200箇所について、一覧表でご確認できるようにしました。
【10月13日23:20現在】※ホームページへのアクセス集中のため、地図情報については、一旦掲載を中止しました。お手数をおかけしますが、下記に載せている一覧(PDFファイル)から、住所でご確認いただきますようお願いします。

このリストを基に神奈川県および気象台からの土砂災害警戒情報の発表があった場合、当該崖地およびその周辺の住民に対し、避難勧告を発令します。
ご自宅などの周辺の状況をご確認いただき、避難勧告が出されていなくても「自らの命は自らで守る」という考えのもと、危険が迫る前に早めの避難ができるよう十分ご注意ください。
また、小石の落下・斜面における湧水や亀裂など、がけ崩れの前兆現象を確認した場合は、近所の方々への周知に努めるとともに、各区役所の総務課防災担当まで、ご一報ください。

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プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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