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上郷開発NO! 討議資料:豪雨禍による河川氾濫

いたち川 危機一髪! 台風18号による浸水被害に学ぶ

私たちは上郷開発問題を一貫して開発と環境との調和の問題としてとらえてきました。
円海山麓に連なる緑豊かな市街化調整区域における大規模な宅地造成に反対し緑地の保全を訴える活動の中心となるメンバーの多くが、昭和40年代以降に栄区(旧戸塚区)や港南区で新たに造成された住宅地に移り住んできたいわゆる「新住民」であるとしても、最古参?の場合はすでに半世紀近い年月を開発予定地の近隣住民として過ごしてきたことになります。
磯子や保土ヶ谷はじめ同じ横浜市内の他の区で生まれ育ち移り住んだ者の場合は、さらに長い年月、円海山麓における開発と環境とのせめぎ合い?を見続けてきたことになるだけになおさらです。

少子高齢化の時代を迎え、市としての一時的な人口増を経て、やがて郊外区としてさらに深刻な過疎化・高齢化に直面すると予測する私たちにとって、地域の住環境・自然環境に大きな影響を与える開発行為は、新旧の別なく、そこに住む私たち横浜市民すべてのいのちにかかわるだけに、まさに安心安全&暮らしやすい「まちづくり」の問題として、世代を越えた視点から考えざるをえないのですね。

広島における大規模な土砂災害、また市民2名の命を奪った台風18号による深刻な被害やいたち川の急激な増水による浸水被害以降、開発と環境とりわけ自然災害にかかわる報道から目が離せないのですが、そんな矢先、1日付けの朝日新聞に載った鶴見川の増水による新横浜駅周辺の遊水地への雨水の大量流入に関する記事が注目されます。

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事態は深刻なのです。記事にはこうあります。
・遊水地が03年にできて以来、台風などで15回、水が流入。うち5回は昨年以降だ。
・鶴見川流域は戦後、宅地化が進み、流域の市街化率は8割以上。コンクリートの地面は雨を吸収しにくく、鶴見川が急激に増水するという。


――河川の改修や遊水地の設置、下水道整備などで、宅地開発=河川氾濫の危険性増大とはならないのですが、近年のすざましい集中豪雨、また台風による豪雨禍は「いたち川」の急激な増水という形で私たちに警鐘を発しています。

以下、横浜市の「危機管理室」がまとめた台風18号による市内の浸水被害の状況と、ネットで見つけた天神橋(環状4号線、栄区役所近く)直下のいたち川の濁流の現場写真を参考資料として転載します。

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 いたち川危機一髪。10月6日、天神橋下の濁流
 Special thanks=ネットへの投稿写真の転載です。スミマセン!

■台風18号による浸水被害の状況(10 月7日(火)14 時00 分現在)
住家被害(107 件)
 ア 床下浸水(50 件):神奈川区台町、神奈川区菅田町、南区八幡町、南区六ツ川二丁目、
磯子区杉田四丁目、栄区鍛冶ケ谷一丁目、栄区長尾台町(2件)、
栄区田谷町、泉区岡津町(9件)、泉区下飯田町(2件)、泉区上飯田町、
泉区和泉町(4件)、瀬谷区阿久和東三丁目、瀬谷区瀬谷六丁目(10 件)、
中区赤門町1丁目、港南区下永谷三丁目、保土ケ谷区法泉一丁目(3件)、
港北区岸根町、港北区日吉本町六丁目、戸塚区戸塚町、戸塚区小雀町、
戸塚区東俣野町、戸塚区矢部町(2件)、旭区川井本町、戸塚区上倉田町
 イ 床上浸水(39 件):旭区さちが丘、旭区川井本町(2件)、磯子区杉田四丁目、栄区桂町、
栄区飯島町(3件)、泉区岡津町(9件)、泉区新橋町(3件)、
瀬谷区阿久和西四丁目、保土ケ谷区岩井町、港北区小机町、戸塚区吉田町、
戸塚区上矢部町(3件)、戸塚区深谷町、戸塚区矢部町、
鶴見区潮田町一丁目、南区八幡町、旭区上川井町(2件)、
旭区川井本町(4件)、緑区白山三丁目(※)、戸塚区小雀町


追記:「いたち川 危機一髪」の現場写真を集めたサイトが見つかりました! 
10月6日、いたち川は「危機一髪」どころか危険水域を越えアブナイ状態だった。死傷者が出なかったのは幸いだった……という投稿コメントがありました。
実は洪水警報が出され、危険水域に達したのが午前8時~10時過ぎという時間帯に救われた面があります。これが広島のように真夜中だったら、床下・床上浸水への恐怖は数倍にもなり、不測の事態が頻発していたかも?(6日、監視カメラのある城山橋では8時50分に最高水位328ミリに達していた!)

そんなわけで、ようやく6日当日の「いたち川」の氾濫状態をまとめたサイトを見つけました。
天神橋下の濁流・激流はじめ川からあふれ出た水につかった川沿いの遊歩道など、迫力あるスナップが収められています。
http://twicolle.jp/user/brown0100/67f5d1570f0988036c91

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危機一髪!どころか

この時、いたち川は栄区役所裏の城山橋観測地点において、8時40分から9時30分にかけて1時間にわたって水位は3mの高さの堤防を越え、洪水状態が継続していました。

写真が撮られた天神橋付近では、危機一髪状態のように見えますが、他の数カ所で溢水(堤防を越えて川から見づが溢れること)が起き、浸水被害が発生しています。

ブログ記事にある10月7日の浸水被害が、この溢水によるものなのか、下水管の排水能力以上の雨水の流入があったために起きる内水によって発生したものか、あるいはその両方によるものなのか、住宅への被害以外に道路への浸水も含めた詳細な被害調査と原因解析が求められています。

なによりも行政には、河川や下水管の水害対応力の実態を見極め、昨今各地で見られるようになった1時間に100mm以上の降雨があった場合の被害想定を行い、それらの防災に資する実際的な情報を市民に周知しておく義務があります。
100mm/hを超える雨が、いつ横浜に降ってもおかしくありません。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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