上郷開発NO! 林市長3選にあたって
上郷瀬上開発計画は「封印」を! 林市長3選にあたっての要望
自民・公明両党が推薦する現職の林市長に元衆院議員の長島氏と元横浜市議の伊藤氏が挑み、三つどもえの戦いとなった横浜市長選。
2期8年間の実績を背景にしたとはいえ、安倍内閣の支持率が急落する中で今回は政権与党推薦候補として気鋭の2候補の挑戦を受けただけに、3選は果したものの批判票や無党派層の票は長島・伊藤両候補にも多く流れ、とりわけ投票率42.05%と今回18区で一番高かった栄区での林候補の得票率は51.21%。18区中、伊藤候補の地元である緑区・青葉区に続き下から3番目と低い結果となりました。(栄区の投票率は前回も32.63%で18区中最高でした)
《市長選の確定得票》
全市 栄区 港南区
林 文子 71 598,115 21,881 38.280
長島一由 50 269,897 12,157 17,853
伊藤大貴 39 257,665 8,689 14,733
しかも選挙戦で主要な争点となると思われたカジノを含めた統合型リゾート(IR)施設誘致の是非について、新人2人が反対を明言し論争を挑んだのに対し林市長は公約では「導入検討」を掲げながら最後まで慎重な言い回しに終始し争点化を忌避したのですね。そんなことから、開票結果を伝える7月31日の東京新聞は朝刊の社説で、「せっかくの横浜の歴史と文化も台無しになるだろう」とのリードを付し、「カジノはやはり封印を」とクギを刺しています。

東京新聞 7月31日付け社説
他方、同じ日の朝刊1面で「林市長が大差で3選」との大見出しを掲げた神奈川新聞も、社説では選挙戦は現職陣営の巧みな戦術が奏功し「反カジノ」と「中学校給食の実現」という争点がぼやけ盛り上がりに欠けたとした上で、「今回の市長選は人口減時代を迎える『転換期の市政』を問う重要な選挙だった。にもかかわらず選挙戦が盛り上がりに欠け、投票率も30%台と振るわなかったのは残念だ」と厳しい論調で、林市長に対して「謙虚で丁寧、かつ明確な市政運営を求めたい」と、何やら安倍政権批判にも似た注文を記しています。
さてこうしたメディアによる報道とは別に、今回の市長選にあたって私たちは、前々回2009年8月、前回2013年8月に引き続き候補者各氏に公開質問状を発して環境&開発問題についての見解を求めたのですが、手違いもあって投票前に回答を掲載することができませんでした。
そこで選挙公約及び7月25日付けで寄せられた林市長からの回答の紹介をふまえ、改めて上郷開発問題について、市民目線に立ち、次世代にみどり豊かな住環境・自然環境を残し伝えていくことを要望したいと思います。
◎市長選にあたっての林文子候補のHP(選挙公約)から
A4で41ページに及ぶ総合的(総花的)な選挙公約で、みどり・環境に関連するものは一般的な記述にとどまっています。
環境・エネルギー・みどり
お約束7
次世代に誇れる緑豊かな地球にやさしい環境先進都市を内外に率先して築いていきます。
緑のこれまでの市の先駆的取り組みや「地域緑のまちづくり事業」、「全国都市緑化よこはまフェア」の成果を活かし、次世代に誇れる緑豊かな横浜のまちづくりに一層取り組みます。
■資料:守る会「公開質問状」への回答から 注:質問は要旨
安倍内閣の支持率急落の原因の一つとされた四国における加計学園による獣医学部設立認可問題。
国会審議における野党の追及の最大の争点は、国家戦略特区での審議&認可が「初めに加計学園ありき」で歪められ、多額の公共資金が支出され、しかも正式な決定を待たず建設工事が着々と進められていること。
上郷開発においても、横浜市は関係部局担当者による評価委員会でのGOサイン以降、一私企業である東急建設と一体となって市街化調整区域の緑地を破壊する大規模な開発計画を推進する立場に身を置き、まさに「初めに上郷開発ありき」。
公開質問状への回答で市長は「今後は都市計画審議会の審議を経て、結論を出すこととなります」と記すのですが、圧倒的多数の市民が寄せた開発反対&緑地保全を求める署名、また公聴会での意見陳述、さらにはそもそも「みどり税」の導入に際して大きな市民的合意とも目された緑地保全→緑被率減少への歯止めへの願い……等々と真摯に向き合うなら、人口減と高齢化、空き家の増大、大規模自然災害の多発という経済社会情勢や自然環境の激変に対するため、既に開発の主要な目標やセールスポイントが崩れた上郷開発計画をいったん封印し、あらためて緑地としての保全策を追求すべきではないでしょうか。
質問1 市街化調整区域の貴重な緑地を破壊して行われる上郷開発に賛成ですか反対ですか。
回答:地区の将来を見据え、緑地保全とのバランスがとれた開発計画と考えています。なお、今後は都市計画審議会の審議を経て、結論を出すこととなります。
質問2 民意は圧倒的に開発反対・緑地の全面保全を願っています。この民意をいかに評価されますか。
回答:緑地保全を望まれる声とともに、長年待ち続けた地権者の思いなど、ご意見の多少ではなく、内容の合理性などを勘案して総合的に判断していくことが大切だと考えています。
質問3 市はみどり税を徴収して緑被率のアップを図ろうとしていますが、今回の開発でこのエリアで市街地を造成すれば約3割の緑地は失われてしまいます。また地球温暖化防止のパリ協定の趣旨にも反することになります。これについてのご意見を。
回答:緑豊かな環境を将来に引き継ぐためには、緑の永続的な保全が課題であり、そのためには、土地所有者や関係者の方々のご理解、ご協力が大切です。
このため、みどり税の活用など、緑地の減少に歯止めをかける取組を進めており、例えば、特別緑地保全地区や市民の森などをみどりアップ計画期間(平成21年度~28年度末)に約790ヘクタール指定するなど、みどりアップ計画前に比べて約5倍のスピードで樹林地を保全しました。また、市街地における緑の創出や農に親しむ取組を一層推進していきます。
質問4 2016年8月に閣議決定された国の国土利用計画は災害に対して脆弱な構造からの脱却を基本方針としています。ところが開発計画地のほとんどのエリアは「大規模盛土造成地」ですでに10mの盛り土が行われており、この上さらに最大14mの埋め立てを行うと地盤工学などの専門家が「宅地造成してはいけない」と危険性を指摘する典型的な軟弱谷地への盛り土造成地になる上、県が公表した「大正型関東地震による被害想定」で「液状化の危険度が極めて高い」エリアとなっています。国土利用計画に逆行し、自然災害の発生が予見されるところでの市街化を進めようとしていることについて、市民の安全問題に焦点を当て、いかにお考えかお尋ねします。
回答:まちづくりでは、地震や風水害などの対策を図ることは大変重要だと考えています。
今回の計画を策定する中で、地震や風水害等の環境影響について、条例に基づき事業者が行った環境アセスメント手続きの中で、専門家で構成する横浜市環境影響評価審議会において、慎重に審議を重ねたうえで答申をいただきました。また、事業者に送付した市長意見では、事前の地盤調査や圧密沈下対策、法令等を遵守した設計施工を行うことを求め、法令や施工基準等を遵守して工事を行うと回答を得ています。
今後も、安全なまちづくりに向けてしっかりと取り組んでいきます。
自民・公明両党が推薦する現職の林市長に元衆院議員の長島氏と元横浜市議の伊藤氏が挑み、三つどもえの戦いとなった横浜市長選。
2期8年間の実績を背景にしたとはいえ、安倍内閣の支持率が急落する中で今回は政権与党推薦候補として気鋭の2候補の挑戦を受けただけに、3選は果したものの批判票や無党派層の票は長島・伊藤両候補にも多く流れ、とりわけ投票率42.05%と今回18区で一番高かった栄区での林候補の得票率は51.21%。18区中、伊藤候補の地元である緑区・青葉区に続き下から3番目と低い結果となりました。(栄区の投票率は前回も32.63%で18区中最高でした)
《市長選の確定得票》
全市 栄区 港南区
林 文子 71 598,115 21,881 38.280
長島一由 50 269,897 12,157 17,853
伊藤大貴 39 257,665 8,689 14,733
しかも選挙戦で主要な争点となると思われたカジノを含めた統合型リゾート(IR)施設誘致の是非について、新人2人が反対を明言し論争を挑んだのに対し林市長は公約では「導入検討」を掲げながら最後まで慎重な言い回しに終始し争点化を忌避したのですね。そんなことから、開票結果を伝える7月31日の東京新聞は朝刊の社説で、「せっかくの横浜の歴史と文化も台無しになるだろう」とのリードを付し、「カジノはやはり封印を」とクギを刺しています。

東京新聞 7月31日付け社説
他方、同じ日の朝刊1面で「林市長が大差で3選」との大見出しを掲げた神奈川新聞も、社説では選挙戦は現職陣営の巧みな戦術が奏功し「反カジノ」と「中学校給食の実現」という争点がぼやけ盛り上がりに欠けたとした上で、「今回の市長選は人口減時代を迎える『転換期の市政』を問う重要な選挙だった。にもかかわらず選挙戦が盛り上がりに欠け、投票率も30%台と振るわなかったのは残念だ」と厳しい論調で、林市長に対して「謙虚で丁寧、かつ明確な市政運営を求めたい」と、何やら安倍政権批判にも似た注文を記しています。
さてこうしたメディアによる報道とは別に、今回の市長選にあたって私たちは、前々回2009年8月、前回2013年8月に引き続き候補者各氏に公開質問状を発して環境&開発問題についての見解を求めたのですが、手違いもあって投票前に回答を掲載することができませんでした。
そこで選挙公約及び7月25日付けで寄せられた林市長からの回答の紹介をふまえ、改めて上郷開発問題について、市民目線に立ち、次世代にみどり豊かな住環境・自然環境を残し伝えていくことを要望したいと思います。
◎市長選にあたっての林文子候補のHP(選挙公約)から
A4で41ページに及ぶ総合的(総花的)な選挙公約で、みどり・環境に関連するものは一般的な記述にとどまっています。
環境・エネルギー・みどり
お約束7
次世代に誇れる緑豊かな地球にやさしい環境先進都市を内外に率先して築いていきます。
緑のこれまでの市の先駆的取り組みや「地域緑のまちづくり事業」、「全国都市緑化よこはまフェア」の成果を活かし、次世代に誇れる緑豊かな横浜のまちづくりに一層取り組みます。
■資料:守る会「公開質問状」への回答から 注:質問は要旨
安倍内閣の支持率急落の原因の一つとされた四国における加計学園による獣医学部設立認可問題。
国会審議における野党の追及の最大の争点は、国家戦略特区での審議&認可が「初めに加計学園ありき」で歪められ、多額の公共資金が支出され、しかも正式な決定を待たず建設工事が着々と進められていること。
上郷開発においても、横浜市は関係部局担当者による評価委員会でのGOサイン以降、一私企業である東急建設と一体となって市街化調整区域の緑地を破壊する大規模な開発計画を推進する立場に身を置き、まさに「初めに上郷開発ありき」。
公開質問状への回答で市長は「今後は都市計画審議会の審議を経て、結論を出すこととなります」と記すのですが、圧倒的多数の市民が寄せた開発反対&緑地保全を求める署名、また公聴会での意見陳述、さらにはそもそも「みどり税」の導入に際して大きな市民的合意とも目された緑地保全→緑被率減少への歯止めへの願い……等々と真摯に向き合うなら、人口減と高齢化、空き家の増大、大規模自然災害の多発という経済社会情勢や自然環境の激変に対するため、既に開発の主要な目標やセールスポイントが崩れた上郷開発計画をいったん封印し、あらためて緑地としての保全策を追求すべきではないでしょうか。
質問1 市街化調整区域の貴重な緑地を破壊して行われる上郷開発に賛成ですか反対ですか。
回答:地区の将来を見据え、緑地保全とのバランスがとれた開発計画と考えています。なお、今後は都市計画審議会の審議を経て、結論を出すこととなります。
質問2 民意は圧倒的に開発反対・緑地の全面保全を願っています。この民意をいかに評価されますか。
回答:緑地保全を望まれる声とともに、長年待ち続けた地権者の思いなど、ご意見の多少ではなく、内容の合理性などを勘案して総合的に判断していくことが大切だと考えています。
質問3 市はみどり税を徴収して緑被率のアップを図ろうとしていますが、今回の開発でこのエリアで市街地を造成すれば約3割の緑地は失われてしまいます。また地球温暖化防止のパリ協定の趣旨にも反することになります。これについてのご意見を。
回答:緑豊かな環境を将来に引き継ぐためには、緑の永続的な保全が課題であり、そのためには、土地所有者や関係者の方々のご理解、ご協力が大切です。
このため、みどり税の活用など、緑地の減少に歯止めをかける取組を進めており、例えば、特別緑地保全地区や市民の森などをみどりアップ計画期間(平成21年度~28年度末)に約790ヘクタール指定するなど、みどりアップ計画前に比べて約5倍のスピードで樹林地を保全しました。また、市街地における緑の創出や農に親しむ取組を一層推進していきます。
質問4 2016年8月に閣議決定された国の国土利用計画は災害に対して脆弱な構造からの脱却を基本方針としています。ところが開発計画地のほとんどのエリアは「大規模盛土造成地」ですでに10mの盛り土が行われており、この上さらに最大14mの埋め立てを行うと地盤工学などの専門家が「宅地造成してはいけない」と危険性を指摘する典型的な軟弱谷地への盛り土造成地になる上、県が公表した「大正型関東地震による被害想定」で「液状化の危険度が極めて高い」エリアとなっています。国土利用計画に逆行し、自然災害の発生が予見されるところでの市街化を進めようとしていることについて、市民の安全問題に焦点を当て、いかにお考えかお尋ねします。
回答:まちづくりでは、地震や風水害などの対策を図ることは大変重要だと考えています。
今回の計画を策定する中で、地震や風水害等の環境影響について、条例に基づき事業者が行った環境アセスメント手続きの中で、専門家で構成する横浜市環境影響評価審議会において、慎重に審議を重ねたうえで答申をいただきました。また、事業者に送付した市長意見では、事前の地盤調査や圧密沈下対策、法令等を遵守した設計施工を行うことを求め、法令や施工基準等を遵守して工事を行うと回答を得ています。
今後も、安全なまちづくりに向けてしっかりと取り組んでいきます。