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晩秋の瀬上沢を歩きました

瀬上の新しい魅力を再発見

11月22日(日)、「『瀬上の未来をみんなで考えよう!』実行委」が主催する野外シンポジウム「樹木医と歩く瀬上沢」が行われ、30名を超える市民が参加し、全国森林インストラクター会の理事でもある樹木医の石井誠治さんの案内で瀬上の晩秋を楽しみました。

朝からどんより曇った肌寒い日。横浜栄高校前を9時半に出発した一行は、小川アメニティ沿いに池の下広場から瀬上池、漆窪休憩所、大丸(おおまる)広場を経るなじみのコースを辿り、3時間後の12時過ぎにいっしんどう広場で解散。
しかし石井さんの樹木や自然の風物に関する深い学識から発せられた名調子のガイドが加わると、歩きなれた路傍の一木一草、あたりの空気までもが平素とは異なった様相を見せ、参加者は熱心にメモをとったりカメラにおさめたり。すっかり瀬上の新しい魅力を再発見したようでした。

PB220694_convert_20091123171047.jpg
椋の木の大木の前で石井先生の話に熱心に耳を傾ける33名の生徒たち。
里山には往古以来の先人たちの暮らしが「年輪」として刻まれている。それ
に思いを馳せ、自然に親しむ感性を磨き、次の世代に伝えよう……。

というわけで、この日得たウンチクをお伝えしたいのですが、とり急ぎ写真のレポートをお届けします。なおこの催しには協賛団体として名を連ねた署名の会の会員も多数参加しました。  M&M

晩秋
枯野を進むと、まもなく「瀬上市民の森」入口。

PB220678_がま
湿地の水辺にソーセージ状の穂先を残すガマ。「ガマの穂わた」って
知っていますか?
がま_convert_20091123172924
これがガマ。これから「ガマの穂わた」に変じます。

PB220681_瀬上池
瀬上池の紅葉。今年は色づきがイマイチのようです。

PB220687_切り株
大丸広場に上る階段の手前の切り株に付着した赤い紋様を発見!
「紅茶きのこ」? まさか。

PB220688_桜天狗
桜の名所として知られる大丸広場。でも近年は? 秋枯れの桜の
枝ぶりが語る「管理の問題点」を聞かされ、ソメイヨシノの見方が変
わった生徒も多かったようです。

PB220649_石井さん
石井誠治さんには『都会の木の花図鑑』(八坂書房刊)
という著書もあります。

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瀬上の素晴らしさを再認識しました

昨日のウォークに参加した1人です。夫と二人で歩くときは、ただ「気持ちいいね」と言いながらスタスタと歩くだけでしたのに、昨日のウォークでは木の1本1本から瀬上沢の自然の豊かさを再認識することができました。シュロの増加、ソメイヨシノのテングス病、あちこちに見られるタイワンリスの巣……。石井先生の深い知識と軽妙な語り口に魅せられ、スタスタ歩いてはもったいない瀬上を満喫した半日でした。

のりぴーの「タトゥー」?

石井さんのお話、軽妙と言うか多彩というか。
樹皮についた紋様を説明するのに、いきなり「のりぴー」なんていう表現が出てきたので驚きました。しかも、その紋様を「ほら、のりぴーの足元のタトゥーのようでしょう?」、と。
きょとんとしていた方が多かったようでした。
「のりぴー」すなわち「のりピー」こと酒井法子(さかい・のりこ)。そう、あの覚せい剤事件の主役のタレント、高相(たかそう)法子のことです。
この人、覚せい剤取締法違反の罪で起訴。10月に初公判が東京地裁で行なわれたのですが、なんと20席の傍聴席に対し希望者が6615人も集まり大騒動。330倍は日本の刑事裁判史上過去最高の倍率だったそうです。
清純派女優と覚せい剤の取り合わせがメディアの狂騒を招いたわけですが、あいにくぼくはほとんど週刊誌を読まないので、その「のりピー」の足元を飾っていたという「タトゥー(刺青)」がどんなものだったか知らないのです。

さて、後学(笑い)のために以下、「ウイキペディア」から引用。
酒井法子 キャッチフレーズは「おきゃんなレディ」。デビュー当時のニックネームは「のりっぺ」(福岡での中学生時代のニックネーム)だったが、デビューしてしばらく経ってから「のりピー」と名乗り出す。同時に「ヤッピー」「いただきマンモス」「うれピー」といった、「のりピー語」を流行させた。

「のりピー」の木?

♪♪その木 何の木 気になる木♪♪

石井さんが「タトゥーのような模様がある」とガイドした木が何と言う木だったか、どなたかメモしていませんか?
たしか小さな実をこすると梨の実のような、ほのかな香りがただよう木だったような記憶があるのですが……最近は記憶力減退はなはだしく樹木の名前を忘れてしまいました。
で、やはり『都会の木の花図鑑』を買うよう、寒さもフトコロも厳しい歳末を目前に控え、目下緊縮財政の仕分け作業中の我が家の財務担当者に申し入れるつもりです。

理想の里山模索

石井先生の話題は、植物の特性や名前の由来、街のすぐ近くに残された里山の有用性とその保全の必要性等々、多岐にわたり、弁舌爽やかなこともあって、あっという間に2時間半が経ちました。
人手があまり掛からず、安定していて美しく、生物多様性が豊かな里山はどのようにしたら可能か、じっくりとお聞きしたかったのですが・・・

以下、先生のお話の中から、そのヒントとなるようなものを思い出すままに拾ってみると、
1.竹は地下茎で繁殖し、他の植生を駆逐して広がるので管理が必要。地下茎は沢筋を越えては伸び  て行かない。
2.傾斜地の木を不注意に切るなどすると、表土が滑り落ちることがある。がけ崩れや表土流出には注  意する必要がある。
3.間伐をしなければいけない、というのは森林を木の畑として見た場合に言えることである。間伐を行   わず、倒木となった木に虫が湧けば、それを目当てに鳥が来て生物多様性の豊かな森となる。色々  な見方があり、どのような森林相をよしとするかは価値観により異なる。
4.今ある木を切り、違う種類の木を植え、その木の森にしようとする動きには賛同できない。
5.タイワンリスによる食害や葛の蔓延も自然の成り行きであり、敢えて対応の要ありとしない。

それから、M&Mさんお尋ねのタトゥーの木は、タイワンリスに樹皮を齧られ、あたかも刺青をしたように見える木について言われたもので、木の種類は覚えていませんが次の山梨の木だったか?
食べてみると、小さいながら梨そっくりの香と食感のある実は山梨の実で、山梨県の名前の元とか説明されていました。

ヤマナシ県の誕生

T.I.さんの投稿で、「タトゥーの木」のことがやや明らかになってきました。タイワンリスによる樹皮の食害の説明に「のりピー」が登場するなんて、驚きですよね。
さて、ヤマナシ? 念のため県名の由来を調べてみたところ、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』には、石井説とは別の見解が記されていました。後学(ヒマネタ)のため、以下、引用します。

郡名が県名になった県の一つであり、律令制下において中核地域であった山梨郡に由来する。
山梨郡の名前の由来は「旧春日居町にある山梨岡神社の裏山に梨の有名な古木があり、そのためこの地域はいつしか山梨と呼ばれるようになった」という付会伝説が存在しているため、果物のヤマナシに由来していると思われがちである。
しかし残簡風土記には「山無瀬」、737年(天平9年)の駿河国正税帳には「夜萬奈之」と記されており、語源としては「山平らす(やまならす)」、つまり甲府盆地の高低の少ない平坦な様子を表す言葉が次第に「やまなし」へ転化したとみるのが妥当である。そして713年(和銅6年)に「諸国の郡郷名は好字(よきじ)で著せ」とする和銅官命が出されたことにより、「梨園」などの言葉に見られる一種の優雅さを感じさせる「梨」という好字を当てて、「山梨」と呼ぶようになったといわれている。

なおついでながら歴史的経緯を記せば、山梨、八代、巨摩、都留の4つの郡からなる甲斐の国が「甲斐府」さらに「甲府県」と変わり、明治4年11月の廃藩置県で今の「山梨県」が誕生しました。


来春もぜひご一緒に

 今朝の朝日「天声人語」に、樹木医の石井誠治さんと明治神宮を歩いた話が載っていました。
神宮の深い森はただ歩くだけでも気持ちがよいでしょうが、石井さんと一緒に歩くと新しい発見がたくさんあって、「天声人語」の筆者はより豊かな気持ちになったことでしょうね。
 先月、石井先生と瀬上沢を歩いたときのことを思い出しました。来春、新しい命の息吹を感ずる季節に、ぜひまたご一緒に歩いていただけたら……と思いました。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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