上郷開発NO! 市会常任委「請願審査」レポート
市会常任委の請願不採択に異議あり
森地発言そして開発賛成の意見書8741通の怪?
15日(木)午前開かれた市会の「建築・都市整備・道路委員会」では、私たち署名の会・守る会が連名で市会議長宛てに提出した請願書が不採択となり、23日(金)開催予定の本会議でも残念ながらその流れは変わらないものと考えられます。
しかし20日に公開された同常任委のインターネット中継録画で当日の審議内容をチェックすると、請願書の採択に賛成する立場で上郷開発計画の問題点を指摘し、またこの計画案の都市計画決定を審議・可決した1月の都計審(横浜市都市計画審議会)の審議のありようについて質した岩崎ひろし議員(戸塚区、共産)に答える坂和建築局長の答弁がきわめて恣意的であることがわかります。
これまで折に触れ記述してきたのですが、市街化区域の中に市街化調整区域が入り込む形となり、身近な自然が市街地に散在するという土地利用の特徴から、横浜の都市としての魅力を形成してきた市街化調整区域。
人口増に伴う宅地造成によって減少の一途をたどってきた緑被率に歯止めをかけ、緑の住環境と豊かな自然環境を守り育てる観点から導入された(筈?)みどり税の誕生の原点とも言われる上郷瀬上沢で、一民間デベロッパーが主導する市街化調整区域における大規模開発計画が「都市計画提案制度」という便法によって横浜市のまちづくり政策の衣(ころも)をまとい、高齢化と人口減などによる空き家増大、都心部への人口回帰など社会経済現象の変化を無視する形で、新たな宅地造成が行われようとしているのですね。
■資料:横浜市と名古屋市における市街地の形態

注:ピンク色の部分が市街化調整区域 「横浜市民生活白書2009」から
都計審・森地会長の議事進行に疑義あり
請願審査に関する意見に続き、岩崎議員は都計審の審議と採決に関連して森地茂会長の当日の言動について疑問を投げかけたのですが、坂和局長の答弁は今回のパブリックコメント(意見書)が内包する問題点を全く無視する形で、「賛否両論のバランスをとった」と、2009年以来、東急グループの元締めであり東急建設の大株主でもある東急電鉄の社長懇話会のメンバーでもあるという森地会長の立場を代弁しました。
Q■岩崎議員
1月15日に行われた都市計画審議会の中で森地会長が「今回の計画に反対する側は対案を示していない、対案を示せ」と主張した。会長の立場での主張だが、これは非常にまずいのではないか。反対する11万を超える市民の声は、あくまでも緑を守ってほしい、開発はしないで、ということで、対案とすればそれが一番有効な対案だ。そしてこれは市の方針にも合致している。
森地会長の都計審の(議事)進行の仕方自体、非常に問題だと思う。その立場からだけでものを見ていたら、行政のこれからやろうとする施策をきちんと科学的にチェックし、審査するということが妨げられてしまう。こういう(審議会での)指揮のとり方というのは、これでいいのか、この点どうか。
A■坂和局長
都計審における会長の発言をとらえての質問だと思いますが、これについては賛成が都市計画案に対して8714通、反対が8507通の意見書をいただいており、賛成反対の意見が拮抗する中で、審議会では反対の意見書に対する質疑が多くなされたことから、賛成の意見書にもとづく当局の見解も求めて、質疑のバランスを会長がとられたと考えています。
なぜか市外の特定地域から上郷開発賛成の意見書が殺到
昨年行われた都市計画案への意見書の数字を引用し「賛否が拮抗」ととらえ、森地会長が「質疑のバランスをとった」と坂和建築局長は言うのですが、都計審傍聴の折に配布された膨大な資料のうち「意見書の要旨」一覧をチェックすると、局長があげた賛成8714対反対8507という数字の問題点=欺まん性?が浮かび上がってきます。
都計審に議案(都市計画案)1228号~1232号の関連資料として提出された別冊「意見書の要旨」は、市に寄せられた意見書を賛成・反対・その他それぞれの内容ごとに分類し、提出人の住所(市町村)を添えた一覧表。
栄上郷町猿田地区関連は賛成8714通(7291人)、反対8507通(8133人)、その他46通(21人)、合計1万7267通(1万5445人)という、横浜市の意見書制度始まって以来?という膨大な量で、短期間に受け付け分類・整理した労作ともいうべき資料です。

しかし、賛成の意見書をざっと眺めると、開発計画の対象エリアが横浜ローカルであるのに比して賛成の意見を寄せた人が全国各地から殺到したことに気付きます。
例えば横浜を除く神奈川県内各市町村から約1000通、東京約300通など実に多彩であること、しかもなぜか藤沢市打戻という特定の住所が受付No.2136~2196(61通)、2263~2338(76通)、2340~2399(60通)など連番で続き総数約250通。また川崎市麻生区から約100通など、横浜市外の特定地域名がまとまって出てきて、東急建設が束ねる地権者が企業ぐるみ?で全国規模で意見書を集めたことが推測されます。
さらに賛否の大まかな要旨に対して「都市計画決定権者の見解」が記されているのですが、内容的には過去の一般的な見解を繰り返し述べるだけで、今回、建築局がこれらのパブリックコメントをどのように位置付け、意見書の意見をふまえ施策に反映させたか(全く反映させず!)よくわかります。
例えば「3.土地利用との競合に関する意見」(1559件)に対しても、「クリニックモール建設が計画されている」と述べるだけで、既に港南台医療モールの開設により東急建設の目玉施策?が陳腐化し無用の計画となっているとの批判(意見)に対しては全く答えていません。
注:上の数字はいずれも概数。賛成・反対両論とも意見書の地区別の詳細などは建築局都市計画課に照会し、膨大な経費&労力を要するパブリックコメント制度の検証→改善に向けて近く市長宛てに提言の予定です。
森地発言そして開発賛成の意見書8741通の怪?
15日(木)午前開かれた市会の「建築・都市整備・道路委員会」では、私たち署名の会・守る会が連名で市会議長宛てに提出した請願書が不採択となり、23日(金)開催予定の本会議でも残念ながらその流れは変わらないものと考えられます。
しかし20日に公開された同常任委のインターネット中継録画で当日の審議内容をチェックすると、請願書の採択に賛成する立場で上郷開発計画の問題点を指摘し、またこの計画案の都市計画決定を審議・可決した1月の都計審(横浜市都市計画審議会)の審議のありようについて質した岩崎ひろし議員(戸塚区、共産)に答える坂和建築局長の答弁がきわめて恣意的であることがわかります。
これまで折に触れ記述してきたのですが、市街化区域の中に市街化調整区域が入り込む形となり、身近な自然が市街地に散在するという土地利用の特徴から、横浜の都市としての魅力を形成してきた市街化調整区域。
人口増に伴う宅地造成によって減少の一途をたどってきた緑被率に歯止めをかけ、緑の住環境と豊かな自然環境を守り育てる観点から導入された(筈?)みどり税の誕生の原点とも言われる上郷瀬上沢で、一民間デベロッパーが主導する市街化調整区域における大規模開発計画が「都市計画提案制度」という便法によって横浜市のまちづくり政策の衣(ころも)をまとい、高齢化と人口減などによる空き家増大、都心部への人口回帰など社会経済現象の変化を無視する形で、新たな宅地造成が行われようとしているのですね。
■資料:横浜市と名古屋市における市街地の形態

注:ピンク色の部分が市街化調整区域 「横浜市民生活白書2009」から
都計審・森地会長の議事進行に疑義あり
請願審査に関する意見に続き、岩崎議員は都計審の審議と採決に関連して森地茂会長の当日の言動について疑問を投げかけたのですが、坂和局長の答弁は今回のパブリックコメント(意見書)が内包する問題点を全く無視する形で、「賛否両論のバランスをとった」と、2009年以来、東急グループの元締めであり東急建設の大株主でもある東急電鉄の社長懇話会のメンバーでもあるという森地会長の立場を代弁しました。
Q■岩崎議員
1月15日に行われた都市計画審議会の中で森地会長が「今回の計画に反対する側は対案を示していない、対案を示せ」と主張した。会長の立場での主張だが、これは非常にまずいのではないか。反対する11万を超える市民の声は、あくまでも緑を守ってほしい、開発はしないで、ということで、対案とすればそれが一番有効な対案だ。そしてこれは市の方針にも合致している。
森地会長の都計審の(議事)進行の仕方自体、非常に問題だと思う。その立場からだけでものを見ていたら、行政のこれからやろうとする施策をきちんと科学的にチェックし、審査するということが妨げられてしまう。こういう(審議会での)指揮のとり方というのは、これでいいのか、この点どうか。
A■坂和局長
都計審における会長の発言をとらえての質問だと思いますが、これについては賛成が都市計画案に対して8714通、反対が8507通の意見書をいただいており、賛成反対の意見が拮抗する中で、審議会では反対の意見書に対する質疑が多くなされたことから、賛成の意見書にもとづく当局の見解も求めて、質疑のバランスを会長がとられたと考えています。
なぜか市外の特定地域から上郷開発賛成の意見書が殺到
昨年行われた都市計画案への意見書の数字を引用し「賛否が拮抗」ととらえ、森地会長が「質疑のバランスをとった」と坂和建築局長は言うのですが、都計審傍聴の折に配布された膨大な資料のうち「意見書の要旨」一覧をチェックすると、局長があげた賛成8714対反対8507という数字の問題点=欺まん性?が浮かび上がってきます。
都計審に議案(都市計画案)1228号~1232号の関連資料として提出された別冊「意見書の要旨」は、市に寄せられた意見書を賛成・反対・その他それぞれの内容ごとに分類し、提出人の住所(市町村)を添えた一覧表。
栄上郷町猿田地区関連は賛成8714通(7291人)、反対8507通(8133人)、その他46通(21人)、合計1万7267通(1万5445人)という、横浜市の意見書制度始まって以来?という膨大な量で、短期間に受け付け分類・整理した労作ともいうべき資料です。

しかし、賛成の意見書をざっと眺めると、開発計画の対象エリアが横浜ローカルであるのに比して賛成の意見を寄せた人が全国各地から殺到したことに気付きます。
例えば横浜を除く神奈川県内各市町村から約1000通、東京約300通など実に多彩であること、しかもなぜか藤沢市打戻という特定の住所が受付No.2136~2196(61通)、2263~2338(76通)、2340~2399(60通)など連番で続き総数約250通。また川崎市麻生区から約100通など、横浜市外の特定地域名がまとまって出てきて、東急建設が束ねる地権者が企業ぐるみ?で全国規模で意見書を集めたことが推測されます。
さらに賛否の大まかな要旨に対して「都市計画決定権者の見解」が記されているのですが、内容的には過去の一般的な見解を繰り返し述べるだけで、今回、建築局がこれらのパブリックコメントをどのように位置付け、意見書の意見をふまえ施策に反映させたか(全く反映させず!)よくわかります。
例えば「3.土地利用との競合に関する意見」(1559件)に対しても、「クリニックモール建設が計画されている」と述べるだけで、既に港南台医療モールの開設により東急建設の目玉施策?が陳腐化し無用の計画となっているとの批判(意見)に対しては全く答えていません。
注:上の数字はいずれも概数。賛成・反対両論とも意見書の地区別の詳細などは建築局都市計画課に照会し、膨大な経費&労力を要するパブリックコメント制度の検証→改善に向けて近く市長宛てに提言の予定です。