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上郷開発NO! 周回遅れ?のアブナイ宅地造成計画(3)

無許可造成地に復旧工事命令 建築局、アブナイ造成地対策に本腰?

台風19号、20号による集中豪雨や強風による浸水や土砂災害への警戒警報が乱打される中、23日(木)付け朝日新聞朝刊25面「横浜版」の右下に載った小さな記事はグッドタイミング。

写真付きながらわずか40行たらずの短信ですが、横浜市建築局が戸塚区名瀬の「無許可の造成地」に対して土砂崩れによる危険性除去のため是正措置をとるよう命令、7月2日付けで行政代執行法に基づく戒告の手続きをとった。10月15日までに土地の所有者が元に戻す復旧工事を行わなければ市が工事を代行し、所有者を命令違反で刑事告発する方針だ、というもの。

建築局建築監察部違反対策課(曽根進課長)の7月27日付け記者発表資料に基づくもので、とかく状況を追認・放置する「不作為の罪」を犯しがちな建築行政が人的被害の事前防止に向けて是正措置を講じつつあることにスポットライトを当てる記事として注目されます。


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 朝日新聞8月23日 横浜版

なお建築局のHPによれば違反対策課の「情報提供」は次の通り。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/kenkan/ihantaisaku/meirei/市の対応

横浜市では、建築基準法、都市計画法及び宅地造成等規制法に違反し措置命令が発令された建築物等について、当該不動産取引における善意の第三者の保護を図るとともに、崖崩れなどの災害の危険から周辺住民の身体又は財産の保護と違反の未然防止を目的として、広く情報提供することにしました。
★ 建築基準法違反に対する措置命令等 (2018.6.8更新)NEW
★ 都市計画法違反に対する措置命令等 (2017.9.5更新)
★ 宅地造成等規制法違反に対する措置命令等 (2018.7.30更新)NEW

なぜ? 「未然防止」策に逆行する上郷開発計画の宅地造成
他方、日本各地で記録的短時間大雨警報が次から次へと発令され、河川の氾濫や土砂崩れによる被害が多発し、土砂災害ハザードマップとの整合性が指摘される状況を、同じ建築局の都市計画課ではどうとらえているのでしょうか? 本年1月、周回遅れの都市計画提案、都計審での牽強付会な議事進行&採択の事務方として、東急建設による上郷瀬上の市街化調整区域の緑地を潰す大規模な宅地造成工事の旗振り役をつとめていることに危惧はないのでしょうか?


■資料1:横浜市建築局違反対策課記者発表資料


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■資料2:2014年10月の土砂災害事故の状況

2014年(平成26)10月6日に首都圏を襲った台風18号による崖崩れ・土砂崩れで中区と緑区で2人の死者が出たことを受け、横浜市は同年12月19日に開かれた市会の建築・都市整備・道路委に調査資料を報告するとともに遅ればせながら「危機管理」を強化、積年の指導や措置命令などの放置&黙認?状態の改善へと動き出したようです。
というわけで参考までに当時のブログの記事を再録します。

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 神奈川新聞 10月7日付け社会面

JR桜木町駅から10分足らず、野毛の住宅街の一角にある成田山横浜別院の崖崩れ現場は土砂災害警戒区域と急傾斜地崩壊危険区域、また緑区で起きた土砂崩れ現場もJR鴨居駅から約2キロの住宅街のはずれにあり土砂災害計画区域に指定されていたのですが、いずれも市は避難勧告を出していなかったのですね。

しかも緑区の場合、市内の業者が許可を得ずに盛土し宅地造成等規制法違反で2010年3月に建築局違反対策課が是正指導しながら、結果的に是正(改善)措置がとられないまま放置されてきたことが災害につながったと見られています。

追記 上記のブログ発信時点では市会常任委提出の資料は公表されていなかった。詳しくは次のURLで。
http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/pdf/siryo/j7-20141219-kc-51.pdf 2014市会資料

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二の轍を踏まぬよう、もう一つの決断

4年前の台風18号の豪雨による人災は、市が崖崩れの危険性を察知しながら、引き継ぎミスにより、その土地の持ち主への指導が継続的に十分行われなかったために発生したと言われています。
今回の市の措置は、その二の轍を踏まぬよう会心の出来であり、市民の安全・安心を預かる行政はかくあるべきと考えます。

そこで、市にもう一つの決断を促したいと思います。
上郷開発の市街地開発には専門家が指摘する不安全な要素が揃っています。これから提出される市街地造成計画計画を現行法令などに基づき審査し、施行を指導するとしていますが、現行の法令遵守では昨今とみに激化してきた降雨や、その発生の確率が増加している大地震に十分対処できないことは明らかです。

また開発地だけではなく、開発されると雨水の流出増加で、いたち川や柏尾川の流域における水害が増大することも懸念されています。

横浜市は、国土利用計画の重点方針である「自然災害の未然防止」に則り、安全性が万全ではない上郷開発計画を断念すべきです。


牽強付会って?

1月の都計審での牽強付会な議事進行と書いてはみたけれど具体的な事実についての追及が不足していますよね。ところで「牽強付会」なんて……ずいぶん古めかしい言い方で、今ブームという昭和歌謡もどき(笑)。グーグルの辞書によれば「自分の都合のいいように、強引に理屈をこじつけること」で、牽強・付会はともに「道理に合わないことを無理にこじつけること」とあるので、ま、モリカケ問題の安倍首相の発言と同じと考えればわかりやすいかも。で、暑気払いをかねて都計審、また森地会長の発言などを議事録で洗ってみようと思案中なのですが、さてどうなることやら。
プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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