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上郷開発NO! 上郷深田製鉄遺跡問題 Ver.3(11/03加筆)

深田遺跡の全容解明へ、待ったナシ
市会質疑で明らかになった現状と問題点

9月5日から10月14日まで開かれた市会の第3回定例会。決算第一特別委における長谷川悦子議員(立憲、栄区)の一連の追及によって、上郷深田遺跡問題の概要と問題点がほぼ明らかとなっています。現段階において一応分かったことを簡単にまとめてみました。

長谷川議員への教育委員会(10月4日)&道路局(同13日)の答弁の整理と問題点

1 当局答弁の整理
・暫定2車線工事区域について
①暫定2車線で供用開始した部分は横浜市が事業者(東急建設が協力)であるから、発掘調査し「概報」(1988)を作成した区域については道路局が教育委員会と調整をとりながら最終報告書(記録保存)を作成する(30年目にしてやっと! 当時の関係者が、かつてなかった画期的なことと感動した。)。
・未調査区域について
②発掘調査を中断し埋め戻した4車線拡幅部分は都市計画提案により整備(4車線化)することになっているから、開発事業者である東急建設が発掘調査をすることになる(東急建設は「横浜市の事業である」としています)。

2 答弁の問題点
・埋め戻しについての合意文書の不在
①相談して埋め戻した合意者は教育委員会と道路局である(道路局長答弁)としているが、しかし当時の合意文書は存在しない(開示請求への回答)。局長答弁の根拠が不明である。
・東急建設は埋め戻し区域の試掘調査をしていない
②東急建設の試掘調査(2019年)の際、未調査部分の試掘調査は行われなかった。東急建設がすべき発掘調査であるなら、この未調査部分の試掘調査も同時に行われるのではなかったのか。試掘調査はいつやるのか(やらせるのか)。未実施のまま4車線拡幅工事を行うなら文化財保護法違反となる。

■資料1:遺跡問題についての横浜市の責務を問うコラム(東京新聞)

  東京新聞 2022 10 23
   東京新聞 10月23日付け朝刊

注:地道な調査報道で、港北ニュータウンはじめ大規模開発の荒波に呑み込まれてしまった歴史遺産をめぐる行政の「不作為」について警鐘を鳴らした東京新聞の阿部記者が今回はコラムでこの問題を取り上げています。

■資料2:道路局関連審査(10月13日)のうち深田遺跡についての質疑詳報
注:市会HPの中継録画から該当質疑を書き起こしてあります。(文責=ブログ編集担当)

深田遺跡に関する長谷川えつこ議員の道路局への質疑
会議名:令和3年度決算第一特別委員会(道路局関係)
会議日:2022年(令和4)10月13日(木) 

長谷川委員:先日教育委員会での質疑で鯉渕教育長から、今後予定されている開発事業によって上郷深田遺跡が調査されないまま破壊されないよう、発掘調査を行い記録保存できるよう事業者と協議するとの回答をいただきました。
そこでまず、舞岡上郷線建設時における遺跡の存在の認識について建設部長に伺います。

田中建設部長:上郷深田遺跡につきましては、建設当時から遺跡の存在は認識しておりまして、舞岡上郷線の工事着手前の昭和61年から62年にかけて横浜市埋蔵文化財調査委員会に委託しまして発掘調査を行い、調査概報としてとりまとめました。

長谷川委員:昭和63年に刊行された上郷深田遺跡発掘調査概報を確認いたしましたが、調査概報では一部を未調査のまま埋め戻して保存したと記録があり、遺跡全体は明らかになっていません。そこで、一部を未調査のまま発掘調査を終了した理由について建設部長に伺います。

田中建設部長:建設当時、道路の工事によって遺構が失われるおそれがないことから、埋め戻して保存することを教育委員会と合意しまして調査を終了いたしました。

長谷川委員:上郷舞岡線の上郷地区は現在2車線で供用されていますが、都市計画では4車線と定められています。そのため今後拡幅工事の機会をとらえて未調査部分も文化財保護法に基づく発掘調査を行い、現状保存もしくは報告書を刊行すべきと考えます。
そこで、今後上郷舞岡線の拡幅工事を行う際は詳細な発掘調査を実施すべきと考えますが局長の見解をお伺いいたします。

高瀬道路局長:舞岡上郷線の拡幅整備は栄区上郷猿田地区における都市計画提案に基づき開発事業者が実施するため、発掘調査についても開発事業者が対応することと考えております。なお、供用済みの2車線部分につきましては報告書の刊行について教育委員会と調整してまいります。

■資料3:教育委員会関連審査(10月4日)のうち深田遺跡についての質疑詳報
注:市会HPの中継録画から該当質疑を書き起こしてあります。(文責=ブログ編集担当)

深田遺跡に関する長谷川えつこ議員の教育委員会への質疑
会議名:令和3年度決算第一特別委員会(教育委員会関係)
会議日:2022年(令和4)10月4日(火) 

長谷川委員:次に上郷深田遺跡についてお伺いいたします。上郷深田遺跡は、飛鳥時代後期から奈良時代を経て平安時代前期までのおよそ200年ものあいだ、地形を生かして営まれた製鉄遺跡です。舞岡上郷線の道路建設に伴い1986年から87年にかけて横浜市埋蔵文化財調査委員会によって発掘調査が行われ、製鉄関係の炉を中心に20カ所以上の遺構が検出されました。調査の結果は地域の歴史や文化財を解明する上で重要な歴史的資料となり、しっかりと市民に還元すべきと考えます。上郷深田遺跡は県内唯一の製鉄遺跡といわれています。そこで、この遺跡の重要性をどのように認識しているのか、生涯学習担当部長に伺います。

鈴木生涯学習担当部長:昭和61年から62年にかけて行われた発掘調査で、製鉄に関係すると考えられる遺物や炉の跡などが発見され、7世紀中ごろから9世紀前半にかけて営まれた古代の製鉄遺跡の存在を確認しております。今後、隣接するエリアで開発が予定されていますので、事業者の理解を得ながら記録保存するための発掘調査を行う予定です。

長谷川委員:上郷深田遺跡は道路建設に伴う調査においては一部発掘調査をしたものの、道路下は未調査部分もあり全体像は明らかになっていません。未調査部分は埋め戻され2車線の暫定道路が走り、調査部分は発掘調査概報のみが刊行されています。文化庁の見解では「概報だけでは正式な報告書にならない」とされています。平成19年3月に定められた神奈川県内における開発事業等に伴う埋蔵文化財発掘調査の調査基準において、発掘調査報告書は原則として発掘作業終了の翌年度から3年以内に刊行するとされており、30年以上放置されたまま自治体が発掘調査報告書を作成しないことは、あってはならないことです。そこで、調査報告書をいますぐに作成すべきと考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。

鯉渕教育長:発掘調査報告書は、埋蔵文化財の発掘作業から整理作業に至る発掘調査全般の成果を適格にまとめたもので、発掘調査はこの報告書が適切に刊行されることによって完了いたします。舞岡上郷線の道路建設に伴う発掘調査については報告書が刊行されておりません。発掘調査による記録保存が完了していない状況ですので、事業者である道路局と報告書の刊行に向けて調整してまいります。

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プロフィール

上郷/署名の会

Author:上郷/署名の会
横浜7大緑地の1つ「瀬上市民の森」に連なる瀬上沢はホタルの自生地として知られ、貴重な動植物が生息する自然の宝庫です。またみどり豊かな里山風景を今に残し、古代の製鉄遺跡や江戸時代に使われた横堰などの文化遺産も眠る横浜市民共有の財産とも言うべき緑地です。
その瀬上沢に大規模な上郷開発計画が浮上したのは2005年。瀬上沢を愛し、それぞれに保全運動をしてきた市民は、2007年6月に「上郷開発から緑地を守る署名の会」を結成、開発計画の中止と緑地の全面保全を求める活動を開始し、同年12月、市内全域はもとより全国各地から寄せられた92000筆あまりの署名を添えて横浜市長と市議会に陳情書を提出しました。
2008年9月、横浜市都市計画審議会は計画を承認せず、「上郷開発事業」は中止となりました。しかし地権者でもある開発事業者・東急建設は引き続き「開発の意思」を表明。2012年1月、ついに第3次開発計画の事前相談書を横浜市に提出しました。私たち「署名の会」はあらためてこの開発プランの問題点を指摘、瀬上沢の全面保全を求めて新たな活動を開始しました。
そして2014年1月に始まった新たな動きがいま地域の住環境・自然環境を揺るがす重大な岐路に……。

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